約 301,162 件
https://w.atwiki.jp/sousaku-mite/pages/222.html
Top ガンダム総合スレ 「Mad Nugget」 第三話 月。アステロイドベルトの内と外に別れる世界では、地球連邦に属する大国。 戦中は地球連邦軍の防衛態勢が整っていない事を理由に、迫るコロニー連合軍に対して主立った抵抗をしなかった。 月の思惑通り、コロニー連合軍は月の制圧より地球上の連邦政府施設への攻撃を優先。結果、月は戦争の被害を 最小限に止める。その代償はユノーの壊滅として返って来るのだが、月は無傷……。 今も変わりなく静かな光を湛え、暗黒の宇宙に浮かぶ。 ローマンはヴァンダルジアのブリッジで巨大な月を見詰めていた。鋭い視線は、睨み下しているかの様。 月は蝙蝠。中立を装い、甘蜜に酔う。コロニー連合に、月に対して好い感情を抱いている者は少ない。 「未だ月の都が見えるとは、随分とゆっくりしているな」 周囲への気配りを忘れる程に思い耽っていたのか、彼は何時の間にか隣に並んでいたハロルドに驚いた。 しかし、隙を見せていた気恥ずかしさを表に出す事無く、冷静に……飽くまで冷静に応える。 「君達が解放されると聞き、木星圏から飛んで来たのだ。燃料は尽き掛けている」 「……どうやって帰るんだ?」 「案ずるな。火星ダイモスにて聖戦団から補給を受ける」 疑問は御見通しと言わんばかりの態度。ハロルドは低く鼻を鳴らし、話題を変えた。 「1つ訊ねるが、連邦軍にだって戦争の再開に反対している奴等が……」 「全体の5分の1程度だ」 ローマンはハロルドが最後まで言い切る前に答えた。ハロルドは疑問を隠さず、横目で一瞥する。 5分の1。決して多くはないが、少なくもない数字。 「……何処まで信用してんだ?」 「この艦にはステルス機能が付いている」 的外れなローマンの返答に、顔を顰めるハロルド。ヴァンダルジアは他のギルバート級巡洋艦と何ら変わりなく、 特別な機能など持っていない。 それが暗に連邦軍内の戦争を再開させようとしている派閥の影響力を言っているのだとしても、反対する派閥が 果たしてヴァンダルジアを放って置くだろうか……。 (血眼になって探し回るさ。連邦軍の防衛網の抜け道を知っていようが、当てには出来んぜ……) 話は終わりと踵を返したローマンの背を睨みながら、ハロルドは戦いの予感に慄き、独り不敵な笑みを浮かべた。 艦内に敵機接近を知らせる警報が鳴り響いたのは、それから約1時間後の事だった。 折り良く、ハロルドとダグラスは格納庫にてパイロットスーツを着用し、MSに乗込む所。 「来たか」 「……早いな」 艦体と同じ赤錆色に身を包んだダグラスの呟きに、愛機と同じカーキのハロルドは小さく零した。 突然の警報に慌てる整備班員を置いて、タラップを駆け上り、頭部に乗込むハロルド。腹部に乗込むダグラス。 同時にブリッジのローマンから通信が入る。 「敵襲だ。後方、月方面より1機のみ。連邦軍とは違う。月の警備隊だろう」 予定外の事態に動揺しているのか、彼にしては落ち着きを欠いた早口。ハロルドは嘲りながら揶揄する。 「断言するのかよ」 「早過ぎる」 (……同感だ) ハロルドは心内密かに頷いた。 聖戦団の活動域は、地球連邦軍の影響力が弱い火星軌道外に集中している。当然、連邦軍の警戒も火星より 外に向いていた。シャトルが襲撃される、つい先日までは……。 地球圏内でのシャトル襲撃は連邦軍の“意表を突いた”作戦であり、24時間以内に人員を募って新たな部隊を 編成するのは不可能。敵機が単独と言う状況から、月の警備隊が巡回中に“偶然”不審艦を発見した可能性が高い。 全ては連邦軍の裏切りが無いと仮定しての話。 ローマンにしてみれば、そうでないと困る。 「直ちに迎撃せよ。この艦……」 「解ってるよ」 ハロルドは一方的に通信を切り、苛立ち混じりの息を吐いた。 「その為のMSだろうが」 カタパルトに固定されるバウ。整備班員が格納庫から撤退する。 ギルバート級の艦体中央底部が前方にスライドし、格納庫が開放される。下がる気圧と共に、バウは宇宙へ! 交戦距離まで数分。ハロルドとダグラスは、感覚を確かめる様に、ヴァンダルジアに添って機体を泳がせた。 艦体を撫でる様に移動していると、蒼い鳥の紋章がバウの横に並ぶ……。 ダグラスはシャトル内で見た物憂気なハロルドの表情を思い出し、重々しく口を開いた。 「……ハル、敵機が追い付くまでに話をさせてくれ」 「何だ?」 「蒼い鳥の紋章に……何か、思う所があるのか?」 ダグラスの問い掛けは慎重だった。彼はハロルドの胸中を誰より……時には本人より、理解している。戦いを前に、 心が揺らいでいないかと訊ねているのだ。 ハロルドはモノアイを紋章に向けた。全天周囲モニターの真ん中に、翼を広げた蒼い鳥が映る。 「……逃亡中の事を思い出したってだけさ。俺達が逃げれば逃げる程、追跡者を墜とせば墜とす程、蒼い鳥は増え、 活動範囲を広げて行った。それが……正直、気に入らなかった。真意を曲解されているのが」 「何だ、そんな事か」 「何だとは失礼な奴だな。ダグ、お前は……どうなんだ?」 軽く脹れて訊き返したハロルドに、ダグラスは笑って応える。 「別に、俺は何とも思っていないぜ」 「そうじゃねえよ……。後悔しないかって訊いてんだ」 「何の話だ?」 「……戦争を始める事、だよ」 投げ遣りなハロルドの声は、僅かな照れと後悔を含んでいた。 「ハル……お前……」 彼の意外な一面を垣間見た気がして、ダグラスは口を閉ざした。 戦争になれば、敵味方問わず多くの人の命が奪われる。その銃爪を自ら引く事に、躊躇いは無いのか……。 それはダグラスと同時に、己に問うているかの様だった。 微妙な間を感じ取ったハロルドは、答えないダグラスを怒鳴り付ける。 「おい、ダグ! 誤解するな! 俺は別に構わねぇんだよ! お前の話だ!」 「……俺か?」 ダグラスは悩んだ。迷いが無いと言えば嘘になる。今、自分が信じられる事は……。 「ローマン大佐は、閣下の命で動いていると言った。事実ならば、あの御方の事、何か思惑があるに違いない」 アーロ・ゾット総代表は戦争の開始を渋っていた。連邦軍が反攻に転じた時は、先行していた突撃隊を捨て、 優劣が明確になる前に敗戦を認め、可能な限り不利にならない停戦条約を結んだ。 ダグラスは知っている。弱腰とは違う。機を見るに敏で、徹底して慎重、そして冷静。その総代表が戦争を再開すると 決めたのだ。必勝の策を持っている。確証は無いが、確信ならあった。 ……そんなダグラスの想いを無視して、ハロルドは押し付ける様に言う。 「良し、全ては特別監査官殿と総代表閣下の責任だ。忘れるなよ」 「いや、それは……」 「中将の肩書きは忘れろ。お前は俺と同じ、単なる逃亡者だ」 勢いに任せて捲くし立てる彼に、ダグラスは閉口した。まさか彼に気遣われるとは思っていなかったのだ。 どう反応して良いか惑うダグラスに構わず、ハロルドは続ける。 「お前は他人を解ろうとするから、周囲に流され易い。その癖、責任感は人一倍だ。解ってるんだろうな?」 「自分の事なら、言われなくたって……」 「そうじゃねえよ! この艦はヴァンダルジアだ。俺達は艦を守り、木星に行く他に無い。だから……これから先、 何が起ころうと、お前が責任を感じる事は無い。全部、御上に擦り付けろ」 押し黙るダグラス。真面目な彼の性格からして、承服しないのは判り切った事。 ハロルドは外方を向き、独り呟く。 「全く、戦わなくて良くなったってのに……揃いも揃って馬鹿な連中だ。しかし、俺達の機体とノーマルスーツに 鳥の紋章を付けなかった事は褒めてやろう」 そしてビームサーベルで払い一閃。蒼い鳥は削り落とされ、塗装が剥げた灰色の跡が残った。 ハロルドとの会話後、ダグラスは気落ちしたかの様に沈黙していたが、敵意の接近に感付き声を上げた。 「……来る! ハル、艦体後方に回るぞ」 「ああ」 戦闘前は神経質になっていようが、いざ開始となると2人の目付きは急に鋭くなり、呼吸が合う。 艦の後ろに回り、迫る敵機を迎え撃つべく虚空に向かって構えた時……超高速の青緑色が、彗星の様にハロルドの 視界の隅を過ぎった。ダグラスが叫ぶ! 「ハル! あれだ!」 「何っ!?」 巨大なキャノンを思わせるMA形態は高機動ΖⅡⅩ。地球連邦軍最速を誇るガンダムタイプMS。パイロットは撃墜王 セイバー・クロス! 剰りの高速に、目で追う事すら出来なかった。バウは急いで方向転換する! ΖⅡⅩは大回りして艦の前方に立ち塞がり、MA形態からMS形態に変形。即座にメガビームライフルを構え、艦橋に 照準を合わせて発射! バッシュゥ!! 「間に合えぃ!!」 信じられない速度で移動するMSの射撃、戦艦では避け切れない。ハロルドは大型のシールドを突き出し、 メガビームライフルの射線に割って入った。 バァーッ! 淡い蛍光緑色のビームはバウのシールドに直撃し、四方に分散する。対ビームコーティングが施された専用 シールドは鉄壁。受けた直後に、内蔵されたメガ粒子砲で反撃する! ドォオッ! しかし、既にガンダムの姿は無い。ΖⅡⅩは再びMAに変形し、距離を取りながら艦体右舷に移動していた。 ハロルドは目視を諦めレーダーで追うが、速過ぎる為にワープしている様にしか見えない。 ΖⅡⅩはMSに変形すると、遠方からビームライフルを連射する。 「速っ!! 中の奴は人間か!?」 「高機動ΖⅡⅩ……連邦のエース、蒼碧の流星群だな」 「流星“群”? 成る程、確かに流星群だ」 冷静に解説したダグラスに、ハロルドは頷く。青緑色の機体が持つビームライフルから放たれる青。時折、メガビーム ライフルの緑が混じる。機体と2種類のビームが織り成す流星“群”! 「機動性を重視し、装甲は最低限。軽合金アーマー装備、シールド無し。武装はサーベル、ライフル、メガライフル、 全てビーム系統。スピードは驚異的だが、こいつのシールドなら背後を取られない限り大丈夫だ」 バウはヴァンダルジアの盾になりながら、ΖⅡⅩを逃がさない様に慎重に迫った。相手は単機、月から遠ざかる 艦を深追い出来ない。艦との距離が開けば追撃を諦める。2人は、そう考えていた。 「あれが魔王……。俺の留守中に好き放題やってくれたらしいじゃないか」 セイバー・クロスは好戦的な眼差しでバウのモノアイを睨み付ける。 大戦中、彼の戦場は火星周辺宙域。コロニー連合軍の補給艦を襲撃するのが主な任務だった。この時、戦線は 既に地球圏に移った後で、彼は撃墜王でありながら、その功績を認められる事無く終戦を迎えた。 「良い予感は的中だ。その実力、試させて貰う!」 彼は歯痒い思いをさせられた過去を振り払う様にガンダムを駆る! ビームライフルで牽制射撃を行い、高機動を活かして一気にバウに接近。ライフルから伸びるビームが剣になる! 「無駄な事を! メガ粒子砲の餌食になれ!」 ハロルドは盾でロングビームサーベルを受け止め、同時にメガ粒子砲で反撃して撃ち墜とそうとした。 瞬間、ダグラスが声を上げる! 「盾を使うな! 切り払え!」 「はぁ!?」 ガガッ! ガンダムはビームの刃を消し、銃身でシールドを突き上げた。盾に大きな引っ掻き傷が付き、発射口が逸れる! ドォッ! メガ粒子砲は虚空に放たれ、ΖⅡⅩはバウを押し退かして通り抜けた。ハロルドは嬉しそうに気を吐く。 「へっ! やりやがる!」 「ああっ、盾に傷がっ!」 「うるせえ! 傷ぐらいでガタガタ吐かすな!」 「馬鹿野郎!! ビームコーティングが剥げるだろうが!!」 ダグラスの言葉に、ハロルドの心臓はドクンと高鳴った。焦りに声を詰まらせながら、思考を巡らせる。 「ま、未だ大丈夫だ! この位の傷なら! それより奴を追うぞ! 艦に近付かせてなるか!」 「……その必要は無いみたいだ」 バウはΖⅡⅩに向き直って動きを止めた。 擦れ違ったガンダムはMAに変形し、メガビームライフルの銃口を向けて折り返して来る! 「最初から俺達が狙いだった様だな」 「望む所よ!」 ハロルドはシールドを立て、ビームライフルで迎撃するが、全く当たる気配が無い。完全に動きを読まれていた。 砲口が迫る。身構えるバウに、ΖⅡⅩは零距離からメガビームライフルを……撃たない!! ガガガッ!! メガビームライフルの砲口は、シールドの塗装を大きく削ってバウを撥ねた。 ΖⅡⅩは直後にMS形態に戻って急旋回し、メガビームライフルを構える。 「ダグ、緊急回避ぃい!!」 バァーッ!! 回避は間に合わない。ハロルドは素早くシールドを向けて防御を固めたが、対ビームコーティングを傷付けられた シールドではメガビームライフルを防ぎ切れない。 強力なビームがコーティングの弱い部分を破壊し、盾は中央から真っ二つに割れた。 ハロルドが居るコクピット内のモニターは、全面真っ白に埋め尽くされ、ビームの洪水がバウを呑み込む……。 後に残ったのは、上半身のみのバウ。モノアイは消え、シールドを持っていた左腕は消失していた。腹部の損傷が 著しく、下半身は吹き飛んだと推測される。 「……大した事は無かったな」 そう言いながらも、セイバーは気を抜かない。バウの右手は未だビームライフルを握っている。彼は止めを刺そうと、 再度メガビームライフルを構えた。 「去らば、土星の魔王」 ……瞬間、背後に敵意を感じる! コクピット内で振り返ったセイバーは、真っ直ぐに向かって来る黄土色の戦闘機、バウ・ナッターを見た! 「分離!? 俺の背後を取るとは、こいつ!?」 セイバーは危機感を抱いた。彼の知る限り、バウ・ナッターは武装を持たない。攻撃手段は……特攻! 不意を突かれ、回避は困難。ガンダムはナッターに背を向けたまま、バーニア全開で回避行動を取る。 「逃がさん! でぇいっ!」 ダグラスは全速力で突撃しながら変形した。機体を回転させ、右足で無防備なΖⅡⅩの背を一蹴! 「だぁっ!? つっ……このっ!!」 セイバーは機体を振り向かせ、ビームサーベルで下半身のみのバウに斬り掛かろうとしたが……。 ドドォッ! 背中に2発の榴弾を浴びてしまう。背後では、モノアイの光が戻ったバウの上半身が、右手の甲を突き出していた。 ハロルドは死んでいなかった! 再び変形し、上半身に向かうナッター。上半身はビームライフルを乱射し、ガンダムを牽制する。 セイバーは追撃を試みたが、先程の蹴りとグレネードが背面のバーニアを破壊していた。 バウの上半身はライフルを手放してナッターの足に掴まり、遥か遠くのヴァンダルジアへと引き揚げて行く。 追撃を諦めたセイバーは、静かに息を吐いてメガビームライフルを構えた。 狙うはヴァンダルジア。最後に一矢報いる。完全に射程外だが、当たれば儲け物。 バシュッ! ……緑色のビームはバウを追い抜き、真っ直ぐヴァンダルジアに向かった。セイバーは命中を確信する。 (当たったな……と思ったが) しかし、ヴァンダルジアは戦艦とは思えない反応で、事も無気にビームを避けた。 戦艦を追い越し、虚空に消えるビーム。セイバーは肩を落としてヴァンダルジアを見送った。 ヴォルトラッツェル艦長は追い付いたバウに通信を入れる。 「艦隊機動力に於いて、連邦軍の我が方に優る所無しであります」 「うむ」 彼の自信に満ちた声に、ダグラスは深く頷く。それは木星圏での緒戦、地球連邦軍を圧倒した際の報告と同じ。 ヴァンダルジアは半壊のバウを収容し、月を後にした。 上へ
https://w.atwiki.jp/mayshared/pages/1559.html
ラノで読む ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ 【招き猫の飼い主】これまでのあらすじ 福永幸助はゴミ捨て場で拾ったひび割れた招き猫の置物から変身した顔に傷のある和服姿のネコ耳少女を「木根まね子」と名付けた。妹や母の質問から逃れまね子と共に訪れた公園で彼女の「人を招き寄せる能力」を披露してもらうが、その場に居合わせた悪ぶるクラスメイト達に襲われてしまう。辛うじてまね子の隠し技「人を無理矢理に引っ張り寄せる能力」によって撃退するも力を使いすぎたまね子はそのまま招き猫の置物へと姿を戻してしまった。 ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ まもなく夕方の六時に差し掛かるというのに、未だ太陽は沈まず西の空にぽっかりと浮かんでいる。五月も中旬まで入ると日の長さが顕著だ。梅雨入り前の今はまだからりと乾いた初夏の風が吹き込んでいる。 クラスメイト達とのゴタゴタから離れた幸助は、招き猫の置物へと姿を変えてしまったまね子を抱えて帰宅した。置き去りにしてしまったクラスメイト達の元にも、まね子の能力によって呼び込まれた彼らの知り合いが訪れたことだろう。 玄関に父親の靴はない。今日もまた研究に没頭しているらしい、今朝がた帰りが遅くなるか泊まり込みとなると言っていたことを思い出す。母親と妹は、気配とその時間帯からおそらくキッチンで晩ご飯の用意をしていると察しがつく。幸助は一言「ただいま」と声をかけ、見つからないうちに二階の自室へと駆け込んだ。 「さて、と」 部屋に戻るなり幸助はきょろきょろと室内を見回した。抱えた招き猫をそのまま床へと置いてやるのも気が引け、彼は座布団を用意し置物と化した彼女をその上へとゆっくり乗せてやった。 「しかし、これが人間の姿に変身するんだもんなぁ……」 双葉学園へと編入されてもう数年とななることもあり、学園生として異能やラルヴァについてもそれなりに知識を持ち合わせていたとはいえ、やはりその本質を目の当たりにしてしまうとやはり驚きを隠せないでいた。 ゆっくりと手を伸ばし招き猫の頭を撫でてみる。右耳の付け根から頬へと続く傷跡、すっと伸ばした左前脚、胸元の鈴。 幸助はふと、山本の異能によって切り裂かれた和服の襟元から露わになったまね子の胸元を思いだす。小振りとはいえ女性特有の緩やかな曲線を描いた彼女のそれ。幸助は激しく脈打つ心臓音と共に耳まで真っ赤になりながら、招き猫の置物の腹部を恐る恐る――もしこのタイミングでまね子が変身したらきっと凄い怒るんだろうなと思いながら――触ってみた。しかし、彼の手のひらに伝わったのは、当たり前だが冷たい陶器の感触だけだった。 「お兄ちゃーん、ご飯ーー」 その瞬間、階下から響く妹の声に幸助は慌てて招き猫から手を離した。悪いことをしていたという自覚があるからか激しい鼓動を続ける心臓が収まらない。「すぐ行く」と返答したものの幸助がダイニングへと訪れるまでに数分の時間を要することとなった。 【招き猫の飼い主】 第三話 今日から一緒に 「|美裕《みひろ》ちゃん、好き嫌いしないでちゃんと食べなさいね」 「……はぁい」 母に指摘され、ハンバーグに添えられている|甘く煮た人参《シャトー・キャロット》をフォークでつついていた妹の美裕は、不意に幸助の方へ振り向くと、 「ねぇお兄ちゃん」 「人参ならいらないからね。ちゃんと自分で食べろよ」 幸助は妹の発言の続きを聞かず即座に拒否を示す。 「ちぇ、ケチ。ってそうじゃなくてさっき来てたまね子ちゃんさ、お顔の傷がちょっと怖かったけど綺麗な人だったよね」 「あー、うん。そうだね」 早速触れられたくない話題を振られ、幸助はつい適当に相づちを打ってその場をやり過ごそうとした。が、 「お母さん達とは初対面だったしちょっとばかり猫かぶってた分もあるでしょうけど、根は優しそうないい娘みたいねぇ」 隣の母から追い打ちをかけられてしまう。まぁ僕とも初対面だけどね、と言いかけて幸助は口を噤《つぐ》んだ。しかも「猫をかぶってた」というのも意味は違えどあながち間違いでもないために、幸助は言葉に窮してしまった。 「うーん、そうかなぁ。でも凄い口悪いよ、怒りっぽいし」 「あら、お母さんはあまり気にしないわよ。それに清楚可憐な大和撫子だけがいい女性と言うわけでもないと思うわ」 母はふふっと小さく微笑むと空席になっている父の椅子を優しい目で眺め、 「女の子はいずれ恋をし母となる。愛する人のため、我が子のため、女だってちょっとくらい強い心も持っていないとね」 「お兄ちゃん、まね子ちゃんとケッコンするの!?」 「違っ!! ありえないよ、そもそもまね子は……」 「えー。あたしはまね子ちゃんがお|義姉《ねえ》ちゃんになるのがいいー。ねぇお母さん?」 「そうねぇ、私もあの|娘《こ》好きよ。美裕ちゃんとは違ったタイプであの娘みたいな子供も欲しかったし」 「二人ともなに言ってんだよ!」 とんでもないことを言い出す母と妹に強く言い放つと、幸助はいつの間にか量の増えていた人参《シャトー・キャロット》の山にフォークを突き刺し口へと放り込んだ。 その瞬間、 「コースケ~、腹減った~」 まるでタイミングを計ったかのように、廊下からまね子の声が届いてきた。幸助の背中に冷や汗が流れる。 「え!? お兄ちゃん、この声もしかしてまね子ちゃん!?」 「あら? 幸ちゃん、おうちまで送り届けたんじゃなかったの?」 先ほどまでの様子から、まさか勝手に人型に変身できるというのはあまりに予想外すぎ、幸助は慌てふためいた。 「えっと、あ、うん。いろいろあって、ちょっとごめん」 そして幸助は立ち上って出迎えようとする母たちをを押しとどめ、一人ダイニングから飛び出す。 「お、幸助出てきた。オレもう力使いすぎて腹ぺこだぜぇ」 長い銀髪をアップにまとめ上げ白地の着物を茶色と黒の帯で絞めた、右目のあたりに傷のあるネコ耳少女|木根《きね》まね子が、へらへらと笑顔を浮かべ腹をさすっていた。首に下げた鈴が彼女の動きに合わせてチリチリと鳴っている。幸助は彼女の姿にうなだれため息をつくと、 「いつの間に人間の姿に戻ってるんだよ!? さっきまで全く変化する気配なかったのに!! あと耳と尻尾も!!」 「何でって、そりゃさっきまでずっとおまえに抱っこしてもらってたしな。その後もお前またオレの頭とか手とか胸とか腹とか撫でてくれたろ?」 「それならその時に戻ってくれたらよかったのに。っていうか変身のきっかけとか決まりとかあるの?」 「あん時はまだかったるかったんだよ、いっぱい力使ってすぐだったしな」 言って、んーっと両腕伸びをするまね子。 「あとあれ、よくわかんねーけど今はなんかコースケに触れられたり近くにいればこの姿になれるみたいだぜ。なぁなぁ、そんなことより耳と尻尾は出したまんまでいいよな?」 伸ばした両腕を脱力し、そのまま自分の両耳に触れピョコピョコと動かしてみせる。 「それはホント頼むから仕舞っておいてくれないかな」 「やだ、めんどい、だるい」 まね子は幸助の言葉にムッと唇を尖らせ、指先で両耳をピンと引っ張りながらにらみつけた。 「そんなこと言わないで、俺のためと思って――」 「まね子ちゃんも一緒にご飯食べよう……って、なにその耳と尻尾!?」 またしてもタイミングを計ったかのように美裕がダイニングの扉を開けて幸助たちに声をかけ、そしてまね子のネコ耳姿に驚いて廊下へ飛び出してきた。 「うわっ!? これはその、そういう異能者なんだよ。な、まね子?」 「あ、あぁ。なんかそういうことらしいぞ」 幸助は心の中で天を仰いだ。 「へぇぇ……そうなんだぁ。で、まね子ちゃんもご飯一緒にどう?」 美裕もまた初等部生とはいえ双葉学園の生徒である。異能者だという説明にあっさりと納得したようだと幸助は陰で胸をなで下ろす。 「いいのか?」 「うん! ママもたくさんで食べた方が楽しいって」 「やりぃ! お言葉に甘えさせてもらうぜ」 「こっちこっち、今日はハンバーグなんだよ!」 「はんばーぐ?」 美裕は、聞きなれない単語に首を傾げているまね子の手を引いてダイニングへと入っていった。幸助はげんなりした表情のまま二人の後を追っていった。 ラルヴァ研究者の妻であり、二十年近く双葉島で暮らしている母もまた、ちょっと普通じゃないまね子のネコ耳姿を「異能者だから」とちょっと説明しただけで簡単に納得してしまったようだ。無理矢理でも隠そうとしていた幸助は拍子抜けな状況に安堵のため息をついた。いやまだ父という関門が残ってはいるが。 「幸ちゃんも隅に置けないわねぇ」 「……なにが?」 幸助の隣の席で「うめぇうめぇ」とハンバーグにがっついているまね子を眺めていた母が嬉しそうなニヤけ顔で幸助に呟いた。 「さては『送り届ける』なんて嘘ついてお母さんたちに内緒でまね子ちゃんお泊まりさせるつもりだったんでしょう?」 「ぶっ……!?」 母の明け透けな発言――しかも当たらずとも遠からず――に幸助は啜っていたスープを吹き出してしまった。隣のまね子が「コースケ汚ねーなー」としかめっ面をする。 「まね子ちゃん、うちにお泊まりしていくの?」 きょとんとした表情をして話を聞いていた美裕がぱっと笑顔を浮かべて幸助達に尋ねる。 「あ? 泊まってくっつーか、この先ずっとコースケの元で世話になるつもりなんだが、なぁご主人?」 「ご主人!? ウソ!? お兄ちゃんとまね子ちゃんってケッコンするの!?」 「オレとコースケが、ケッコン?」 「いやだから僕とまね子はそういうんじゃなくて……」 「おい、そういうんじゃねぇって何だ、コースケ? お前まさかオレのこと嫌いだなんて言うんじゃねぇだろうな」 まね子は少々ドスの聞いた低めの声で、おたおたしている幸助を睨み上げる。 「さっきの今でそんなすぐに好きとか嫌いとか即答できるわけないだろう」 にっちもさっちも行かず幸助は助け船を出して貰おうと母の方へと向く。が、母は母で、 「お父さんが帰ってきたらご報告しないといけないわねぇ」 などと嬉しそうに言っている。幸助は頭が痛くなったような気がした。 キッチンの流し台で無言のままカチャカチャと洗い物をしている母の後ろ姿を、幸助はダイニング越しにリビングのソファーからしばらく眺めていたが、意を決し、 「……お母さん」 「なぁに」 母は洗い物の手を止め、背中越しに声を返した。 「僕はどうしたらいいのかな」 「まね子ちゃんのこと?」 当のまね子は先ほど美裕に「ねぇねぇまね子ちゃん、ご飯食べ終わったらあたしと一緒にお風呂入ろう?」と誘われ、また母からも促されて、今は風呂場でキャイキャイと二人で騒ぎ合っている。 「美裕が暴走して結婚とか言ってるけど、そういうのじゃなくて……。なんて言うか、|まね子《あいつ》身寄りがないみたいでさ、なんとか力になってあげたいと思うんだけど……」 「うん、お母さんもそれはとても素晴らしいことだと思うわ。けど幸ちゃんはまだ中等部生なんだから、やっぱり中等部生らしくまずは健全な交際を心がけるべきよ」 「だから僕たちそんなんじゃないって……」 だめだ、美裕だけじゃなく母まで暴走している、と幸助は心の中で深く嘆いた。 「まぁ、もちろんそれは将来の話。そういった下心なしにしても、例え少しでも彼女を想っているからこそ「あの子の為に」って気持ちが芽生えるんじゃないかしら」 「そう、なのかな」 幸助は首をかしげた。 まるでありふれた物語のように突然自分の元へと姿を現せたまね子。 ぶっきらぼうで口が悪いけど何かと自分を慕って来てくれるまね子。 クラスメイトにからまれた情けない自分を身を呈して守ってくれたまね子。 そしてふと、憧れているクラスメイトの|式守《しきもり》|晴香《はるか》の姿が脳裏をよぎり……、 「うーん、やっぱりよくわからない」 頭の中でぐちゃぐちゃになってしまい、幸助はダイニングテーブルに突っ伏した。そんな息子に母は小さく微笑む。 「幸ちゃん十五歳なんだし、お母さんはまだゆっくりと大人になればいいと思うわ。それにあの子、本当は――」 「「綺麗になった!!」」 胸元から腰回りにかけてバスタオルを巻いただけのまね子と美裕が仁王立ちになって幸助の前へと立ちふさがった。 「なっ…………!?」 「まね子ちゃん凄いんだよ! 自分がイメージした人を呼び寄せられる異能者なんだって!! だからあたしね、まね子ちゃんに……ん?」 言いかけて兄の表情の変化に気づき美裕は話途中に口を噤む。幸助がまね子へと「何故ばらした?」といわんばかりの表情を向けたからだ。 まね子はそんな幸助へと数歩近づき、悪びれもせず唇を尖らせると、腰に手を当てそのバスタオル越しの胸を張って答えた。 「ミヒロの奴が何でもかんでも聞いて来るもんでさぁ。でも招き猫のラルヴァってやつは隠し通したぞ、褒めろ」 至近距離でまね子の風呂上がりの艶《つや》やかな肌に見入ってしまったが、瞬時に我に返り幸助は慌てて、 「ネコ耳姿でその能力じゃ答え言ったようなもの……って、は、早く服着て来いよ。ほら美裕も!」 いつまでもバスタオル姿のままでいる二人を脱衣場へと無理矢理に促した。 「いい? 聞いてお兄ちゃん。まね子ちゃんね、人を呼び寄せられる異能者なんだって! 知ってた!?」 兄に話の腰を折られた美裕はパジャマに着替えた後、開口一番にまるで自分のことのようにまね子の能力の話を続けた。当のまね子は、母用に買い置かれてあったと思われる真新しいレモン色のパジャマ姿。着慣れていないのだろうか袖や襟首をしきりに気にしているようだった。 「……うん、知ってる」 テンションの上がっている妹とはかなりの温度差で幸助が受け答えた。その能力のおかげで一悶着があったばかりだし、月曜に登校した際にどんな事態になるか想像したくもない。 「でね、あたしまね子ちゃんにお願いしたの。だからきっともうすぐ帰って来るの」 「帰って、来る……?」 妹の言葉に、幸助の背筋へと嫌な汗が流れた。まさか……。 「ただいま」 二度あることは三度ある。幸助自身が「自分は呪われているのではないか」と思うほど計ったかのようなタイミングで玄関の扉が開かれた。今日は泊まり込みになるかもしれないと言っていたくたびれ顔の父が帰宅してきたのだ。 「パパ!」 美裕は満面の笑みを浮かべ玄関へと走っていき父へと抱きつく。父はにこりと微笑み、美裕の頭を優しく撫で、 「ただいま、美裕」 「あらお父さんお帰りなさい。今日は泊まりになるんじゃなかったの?」 そしてキッチンから玄関へと出迎えた母へと荷物を預けると、ぐいとネクタイを弛めた。 「いやぁ、職員の手違いで研究資材の搬入に問題が発生してね。今日はいったん解散して明日また改めて、ってことになったんだ」 「あらあらまぁまぁ」 ふうと小さくため息をつく父に、母は困ったようなそしてちょっとだけ嬉しそうな表情で受け答えた。 幸助はあまりに迂闊だったと慌てふためいた。完全に油断していた。泊まり込むと聞いていたのでとりあえず今晩だけでもやり過ごし、この週末のうちになんとか策を講じればいいと考えていたのだが、まさか妹の希望で使用された『まね子の能力』によって全ての可能性を強制的に切り替えてこの父が帰宅してくるとは予想だにしていなかったからだ。 「まね子、今すぐに招き猫の置物へと戻ってくれないか!?」 「はぁ!? やだね、なに言ってんだ。今晩は美裕と一緒に寝るって約束してんだからな!」 まね子はぷいと頬を膨らませ幸助を睨みつける。 「うるさい黙れ! このオレに約束破れって言うのか!!」 叫び、ドンと踏み込み幸助へと詰め寄った。するとまね子のその大声が玄関へと聞こえてしまったのか、 「誰か来ているのか?」 母と美裕へと尋ねる父の声が二人の耳へと届き、幸助の顔が真っ青になった。 「そうそう、お父さん。今日は幸ちゃんから大事なお話があるみたいなの。ちょっと、幸ちゃーん」 「う、えっと……」 母から話を振られ幸助は言葉に窮した。 父の目が息子と共にいるネコ耳娘を真っ直ぐ見据え、 「これはこれは、我が家にラルヴァが訪れているとは」 餅は餅屋、ラルヴァにはラルヴァ研究者か。父はまね子を見るなり表情も変えず開口一番に言い当てた。 「え? 違うよ。まね子ちゃんはラルヴァじゃなくて異能者だって言ってたよ、ねぇママ?」 パパ何言ってるの? と美裕が両親を見上げるが、母は「うーん、そうねぇ」と言葉を濁らせただけだった。 万事休す。幸助は微動だにすることもできず、まね子はただただ事態を理解してないまま、目の前の幸助と玄関先の三人を見回していた。 【招き猫の飼い主】第三話 完 続【招き猫の飼い主】第四話 トップに戻る 作品投稿場所に戻る
https://w.atwiki.jp/gundam_dollda/pages/23.html
錆色の大地から一転して、火星の北極冠は地球のそれと同じく辺り一面が万年雪で覆われている。 異なるのは表層がドライアイスであるということと、あちこちに塵や氷や砂などの混合物の層からなる深さ五百メートルほどの断崖があるということである。 ぐるりを見渡せば、その断崖は渦巻き状に広がっているのがわかる。 渦巻きの中心に一見して人の手によるものと判るすり鉢状の窪みがあった。直径百キロメートル、深さ二千メートルほどの窪みである。 いかなる作用によるものか、その窪みはドライアイスの層に覆われていない。 底の方は地面が剥きだしで、黒い土の上に薄い円筒型の建造物がちょこんと顔を出している。 調査団のカナリヤはその建造物に寄り添うように船体を横たえていた。 空は分厚い雲で灰色く染まり、昼間にもかかわらず辺りはほの暗かった。灰のような雪が音も無く降っている。 デイヴィッドは雪というものを実際に見るのは初めてであった。耳鳴りがするほど静かである。 静寂は不思議にも白い綿が淡々と舞い落ちる光景と調和し、あたかも時が静止しているような感覚を抱かせる。 その感覚は神秘的ともいえるが、デイヴィッドはどちらかといえば薄気味の悪さを感じていた。 途中まで随伴していたガンダムムウシコスは、入り口を塞いでいた瓦礫をビームであらかた一掃すると憎まれ口を叩いてカナリヤに戻ってしまった。 その帰り際に、ムウシコスは自身から伸びた細いケーブルをグワッシュに繋いだ。 カナリヤからの通信用ケーブルは既にぶら下げているので、どうもただの命綱とは違うようである。 今回の作戦でオペレーターを務めるフィリアに尋ねても、小難しい単語ではぐらかされるばかりで埒が明かない。 デイヴィッドはドーム・オデュッセイア内部へグワッシュを進ませながら、皮肉を込めて投げやりな口調で言った。 「カナリヤ一号、行きまーす」 『デイヴ、真面目にやってよ。スメッグヘッド博士だってモニターなさっていらっしゃるんだよ』 フィリアの声に続いて新たにウインドウが開いて、しかめ面のアルフ博士の顔が現れた。 「失礼致しました」デイヴィッドは反射的に謝った。博士はデイヴィッドの顔を睨みつけているきりで何も言わなかったが、デイヴィッドはことさら真剣な顔をしてみせた。 通路は広く、MSが楽々通れるゆとりがあった。MSは四百年前にも存在したのであろう。 ところどころに細かい瓦礫が散らばっているが、時代を感じさせるようなものは見あたらず、壁の構造も、旧式コロニーで見られるものと同種であると思われた。 通路は緩やかな下り坂であるので、先へ進むほど暗くなって行く。数百メートルほど進むと壁が途切れて、ちょっとした広間と思わしき空間に出た。 「磁気が強いみたいだ。レーダーが利かない」 『ちょっと待っててね』 機体パラメータ画面上に、毛色の違うウインドウが目まぐるしく重なったり消えたりを繰り返した後、インストール完了の文字が出る。 『ライトを最大にして、ぐるっと、辺りを見回してみて』 新たなサブウインドウが開かれて、光を当てた部分から順におそろしく精巧な三次元マップが表示されて行く。 気温やら気圧やら、やたらと事細かな情報も各地点に書いてある。そのサブウインドウの枠にあるG-MOUSIKOSという文字が目に留まった。 「オートマッピングか」 『凄いでしょ? えっと……ここから、ここのポイントに向かってちょうだい』 「まるで餓鬼の遊びだな」 デイヴィッドは三次元マップに表示された最適な進行ルートと目的地点のマーカーを見て思わず呟いた。 親切なのは結構であるけれども、グワッシュの劣悪なマッピング性能に慣れていた彼としては妙な気分であった。 暗闇の中へ恐る恐るグワッシュの足を運びながら、デイヴィッドはふと思いついた疑問を口にした。 「なあ、今のグワッシュならビーム使えるんじゃないか?」 『阿呆な事を抜かしておらんで、さっさと進め』 冗談の判らない上官である。デイヴィッドは後ろ髪を引かれる思いで口を閉じた。 目標ポイントにたどり着いて、指示されるままにその場所の瓦礫をスコップで取り除けると、瓦礫の下から見たこともない種類の大型端末が姿を現した。 『デイヴ、次はムウシコスのケーブルのソケットをその端末に接続して』 ほとんど遺跡とも呼べる端末であるが、端子の規格は同じようであった。開発公社が周到に準備を行っていたことが窺える。 デイヴィッドは言われるがままグワッシュのバックパックに繋がれたケーブルを外して、ソケットを端末に差し込んだ。 三次元マップが消えて、いつもの粗悪なマップが表示される。 『第一解除コード入力までしばらくかかるから、そこでじっと待機していてね』 フィリアが迂闊なことを口走るのと同時にアルフ博士の顔が強張った。デイヴィッドはまるで聞いていないというふうに目を瞑った。 白い部屋であった。壁も、天井も、照明も、唯一の家具である寝台も、ことごとく白で揃えられていた。 窓は無かった。音も無かった。人もいなかった。十二ある寝台の主が戻って来なくなって久しかった。 十三番目の、のけ者にされたような配置にある寝台に自分は坐っていた。 不意に肩を叩かれた。それで、部屋に人が入っていたのがわかった。入室者は背が高く、ひょろひょろと痩せた男であった。 男はおもむろにこちらの側頭部に両手を伸ばした。何かが外された。すうとした清涼味のある開放感が目の奥を駆け巡った。 まるでその感じは、つるりと窄み抜けていくようなものであった。冴え渡る快味は小止みもなく広がり続けた。ついには寒気を帯びて来た。 冷気をついて一抹のざらざらした心地を感じた。目の前に立っていた男が、はぁっはぁっ、とすさまじく荒い呼吸をしながら少女を組み敷いていた。 少女の首から上は霞んで見えなかった。しかしそれが自分であるということは知っていた。 背中から首の後ろにかけて生ぬるいものが無理に差し込まれる感触があった。込み上がるものが堪えられなくなる直前で、さっと雲散霧消した。 頭がぼんやりになっていた。外されたものが元のところに戻されていたのがわかった。 服は乱れていなかった。目の前の男は髭だらけの口元を歪めているにすぎなかった。 いつもならばここで男は立ち去るのであったが、今回は少し様子が違っていた。 「今日はね。キミに名前をあげようと思うんだ」 自分には名前というものがないので、その申し出は大変ありがたかった。十三号というのは名前であるとはいえないと男からも聞かされていた。 いつのことか、自分は誰かに名前を呼ばれていたことがあったような気がしていた。 今まで蒸し返し味わってみていた何ともいえぬその心地よさが現実に得られるとなれば、先ほどの不愉快な思いも苦ではなかった。 男に手を引かれてたどり着いた先では、大きな人形が寝そべっていた。背の高い男より、何倍も何倍も大きい白い人形であった。 「Doll DA――今日からキミは、ドルダだ」 ようやく、自分は欲しかったものを手に入れることが出来た。しかしそれでまず味わったのは、想像していたほどの幸せでないどころか、途方もない空しさであった。 『馬鹿者! アンカーを打てと言ったろうが!』 デイヴィッドは老人の怒鳴り声でようやく我に返った。見れば幾重もの巨大なシャッターが開放され、内部の空気が気圧差でどっと押し寄せて来ている。 グワッシュはその重量にもかかわらず紙切れの如くひらひらと吹き飛んで、同じく舞い上がる瓦礫にもみくちゃにされていた。 『デイヴ! 応答してデイヴ!』 目じりに大粒の涙を溜めたフィリアが必死の様子で叫んでいる。機体パラメータ画面には所狭くエラーが表示され、AMBACもままならない。 やっとのことで壁の出っ張りにしがみ付くが、飛んで来る瓦礫が左腕のチョバムアーマーを爆発させる。 僥倖にもその後すぐに吹き付ける風は収まり始めたので、MS本体に目立った損傷は生じなかった。 『なに、やってるのさ! ばか! 甲斐性なし!』 「なあに、かえって動きやすくなった」 追加装甲の剥がれた左腕を回して強がってはみたけれども、明らかに失態である。査定に響くであろう。 『いったい君は、こんなことでなにしてんです!』 白昼夢を見ていたなどとは、言い訳にもならない。プロ意識云々以前に、夢の内容からして条例に触れてしまう。 デイヴィッドは柄にも無く平謝りしつつ、絡まったケーブルやらなにやらを直し始めた。 隔壁を抜けるとそこは市街地であった。街路灯のものと思われる明かりが見えた。 新たに構築された三次元マップには、高さ五十メートルほどの天井の下に直方体の建物が碁盤割りで広がっている。 大まかな構造はこの間まで暮らしていた居住小惑星と似たようなものである。 デイヴィッドは拍子抜けした。四百年もの年月を経た遺跡の姿は想像していたほど奇怪なものではなく、見慣れたコロニーの夜景とほとんど変わりない。 すこしばかりの騒音を立てれば、寝ていて起こされた住人が今に怒鳴り込んで来るように思えたが、計器に表示される気圧や気温はそこに生きている人間が存在しないことを示している。 解除コード入力のおかげか電源はそれなりに生き返ったが、太陽光入射機能は停止しているので辺りは暗い。 建物の壁や道路の舗装をライトで照らすと、そこにおびただしい霜がこびり付いているのがわかった。 もし今ここでドームの機能が完全に息を吹き返したのなら、内部は惨憺たる様相を呈すであろう。電源を抜いた冷凍庫の中身は悲惨である 「あー、文化財を一体発見。指示を求む。状態は……FDAに抗議文を送ってくれ。屠殺業者の忘れ物らしい」 霜に覆われた赤黒い塊が道路の真ん中に落ちていた。宇宙空間でのそれと異なり保存状態は芳しくない。 茶色く染まった合成繊維の切れ端の下に、黄ばんだ白い部分があちこち露出しているのと、そこだけ色あせていない蛍光色の毛髪が目に障った。 ドームの温度調節機能が停止するまでに数ヶ月の猶予があったことが察せられる。 『そんなものに用はない。先へ進め』 青ざめた顔で口元を覆っているフィリアに代わってアルフ博士が淡々と指示を出した。いかにも眼中に無いといった感じである。 デイヴィッドは連邦軍に居た頃にこうしたものを見慣れていたのであったが、思わず口を滑らせた。 「墓暴きの身としましては、呪いやら何やらが恐ろしくて堪らないんですがね。フィリア、この機体のシールは万全か? えたいの知れんウイルスに感染するくらいなら疝気のほうがよっぽど粋だぜ」 『デイヴィッド・リマー、我々に無駄口を叩いている時間はない』 「言うべきことも言わんあなた様がそう仰いますか? 小賢しい仕方で片棒担がせようって魂胆はとっくにわかってんだ。ことごとくが空々しいんだよ、あんた達の言うことはな」 『デイヴ!』 デイヴィッドはフィリアの慌てた声を聞いて口を噤んだ。モニターのアルフ博士は眉間に皺を寄せて、不遜なパイロットを睨みつけている。 デイヴィッドは暫しの間睨み合いを続けると、チッ、とこれ見よがしに舌打ちをしてから白々しく謝罪した。 デイヴィッドは不愉快であった。気が苛立っている理由は自身でもはっきりわかっていた。先ほどの白昼夢である。 考えまいとするほどに夢の内容はくっきりと輪郭を帯びて行き、グワッシュを進ませていながらも、不意にその光景が脳裏を掠めることが幾度と無くあった。 道中、赤黒い塊をしばしば目にしたが、何ら感慨は湧かなかった。そんなものよりも目標地点へ近づくにつれて増して行く、言い知れぬ気持悪さに吐き気を催した。 グワッシュは市街地を真っ直ぐ進んで、コントロールタワーにたどり着いた。以前と同じ要領でMS用ゲートを開き、下の階層に向かうエレベーターを予備電源で起動させた。 ケーブルは既に十キロメートルほど引き出されている。それなりに細くて軽いケーブルであるが、グワッシュの馬力で引き摺るにはそろそろ限界である。 調査の終りを思うと一息付きたくなるが、中枢ユニットへの扉を前にしてデイヴィッドは今にも泣き言を吐いてしまいたい心地であった。 目玉の裏側にざらついた引っ掛かりが生じている。瞽女声(ごぜごえ)を偲ばすような耳鳴りがしていた。気分はよりいっそう酷いことになっている。 ムウシコスからの解除コード入力が済んでシャッターが開くと、隙間から白いガスが噴出してグワッシュの視界を覆った。 ガスが晴れる間際、白昼夢の最後の場面が瞬間的に再生され、その一瞬間、ぶれるように現実の光景と重なった。 『これは、MS……』 目を向けると、巨大な中枢ユニットの前に一機のMSらしきものがぽつねんと立っていた。 純白の機体である。女性を思わせる、すらりとした形状のMSである。各部の構造はこれまで見たどのMSにも当てはまらない。 武器の類は一切装備していないようである。腕の先にあるのはレンズのようなものの付いた手の甲だけで、マニピュレータは見えない。 顔を覆う大型バイザーの上には、ガンダムタイプに似たV字型アンテナが生えている。 「どうだ爺さん、これで満足か? あんたのご希望通りオーパーツが見つかったぜ。畜生が。新品同然の小奇麗なお人形さんだ。この――」 ドルダ、と続けようとしているのに気付いて、デイヴィッドは愕然とした。 なぜ自分は目の前に立つ初対面のMSの名前を知っていて、さも当たり前のように口に出そうとしたのかわからなかった。 デジャビュの類にしては行きすぎている。加えて、そのMSの姿は白昼夢の最後の場面に登場するMSと瓜二つである。 デイヴィッドは咄嗟にこの既知感を解明しようと頭をめぐらせた。贋の追想と心理学で呼ばれている現象であるとも考えられた。 それは極端な疲労や虚脱などの状態に置かれた人間に起こりうる現象で、記憶だけが自動的に意識より先に出るために云々という原理からなっている。 けれどもその場合、既知感だけがあって、決してその原因を想起出来ないのが特徴である。残念ながら、先から白昼夢の内容に悩まされていたデイヴィッドには当てはまらない。 あの奇妙な白昼夢の記憶それ自体も、自身が瞬間的に行った妄想の産物であるかもしれないが、そうとなればいよいよ自分の脳味噌は酒の毒に蝕まれ切ったことになる。 『こいつ、動くぞ』 老人の声にデイヴィッドは引きつった顔を上げた。純白のMSは勝手に起動を始めて、あたかも痙攣する人間のようにその肢体を小刻みに震わせていた。 不可解にも光のラインが装甲の継ぎ目に走っている。エメラルドの輝きを連想させる緑色の光は、これと言った理由も無しに嫌悪感をかきたてた。 デイヴィッドは自然とグワッシュに高周波スコップを構えさせた。失われた超科学の産物に勝てるとは露も思わないが、妙な真似を見せたらば即刻飛び掛る心積もりでいた。 バイザーが引き上がり、ツインアイが露出した。いよいよガンダムに類似している。グワッシュの腰を落とし、いつでも突撃出来る体勢を整えた。 フィリアやアルフ博士が何やら喚いているのを聞き流す。 目の前のガンダムもどきを今のうちに破壊しておかなければ、何か取り返しの付かないことになるかもしれない。そうデイヴィッドは感じたのである。 所有の許されないブラックテクノロジーであるばかりでなく、もっと禍々しい何かがあの機体に秘められているという予感があった。 デイヴィッドがスラスターにエナジーを送り込まんとした折りも折り、矢庭に純白のMSに走る光のラインが消え去った。 そうして途端に失神するようにがっくりとくず折れて、痛々しい体勢で床に身体を預けてしまった。 スコップの切っ先を向けたまま油断無く距離を詰めて行くと、純白のMSの腹部装甲がゆっくりと開いて、大人二人ぶんほどの大きさのカプセルが現れた。 胴体が横を向いた無理な体勢であったので、重力に従ってそのカプセルは音を立てて転げ落ちる。 デイヴィッドは慌ててグワッシュの手を伸ばしてそれを受け止めた。 カプセルの表側は透明な材質で作られているが、カメラの解像度を上げても中は曇っていて見えなかった。 「博士、この玉っころは何なんだ?」 『おそらくは冷凍睡眠カプセルであろう。当時の文献にも記載されておる』 そうこうしているうちに段々とその曇りも晴れて行って、カプセルの中身があらわになる。 飾り気の一切見当たらない白い服を着た少女が、死んだような表情で眠っていた。年のころ十四五と思われ、顔の作りは現代の人間のものと変わりない。 ただ、腰まで伸びるエメラルド色の髪が、当時行われていた遺伝子操作の名残をとどめていた。 「よりにもよって、生ものかよ」 苦々しくそう呟くのと同時に、少女の目がぱちりと開いた。カメラ越しに視線が重なったとき、デイヴィッドは目の奥にざらざらしたものが通り抜けるのを感じた。 大気中に漂う粉塵の多い日であった。ドーム・テーレマコス脇の連邦軍駐屯地の空は赤々として、まるで血で染め上げられたように見えた。 空の色よりもさらに鮮やかな赤で彩られた一機のMSが、基地の上空に静止していた。 肥大化した異形の頭部を持つ真紅の機体は両腕で大型ライフルを構えて、その長大な砲身の矛先を連邦軍基地の一郭へ向けていた。 見下ろされる基地の方では、上空の真紅の機体を取り囲むように配置された幾十もの数のMSがそれぞれ狙撃用ライフルで狙いをつけている。それらのMSはMSU-13ブッシュである。 基地に破壊の形跡は無かった。連邦軍基地のブッシュ隊に敵対しているのは、真紅のMSのみであると思われた。 『ベイト大佐、どういうつもりだ』 「故郷に錦を飾りたくなりましてね、少将閣下殿。ガンダムマルスの力は我らマーズノイドのためにこそ用いられるべきでしょう」 『火星の重力に中てられて先祖返りしたか、マスター・ベイト。だが、いかにガンダムといえども単機ではどうにもなるまい』 真紅の機体のコックピットに坐る男は唇の端を歪めるに過ぎなかった。 通信の相手に対するものとは別に表示されたウインドウには、三重冠を被って白い法衣を着た老人が、巨大な十字架の前に立って演説する場面が映し出されている。 この映像は火星の全ドームと火星圏の全コロニーに向けて放送されていた。 演説の主な内容は、マーズノイドの独立宣言と宇宙連邦政府への宣戦布告である。 「門は開かれました。去勢された人類が目覚めねばならぬ時がきたのです」 『狂信者が世迷い事を』 「水に落ちた犬を打たぬは人の子弟を誤る。狆はことに水中に打ち落としてさらに追い打たねばならぬ――古代の俚諺です。閣下を捕虜には致しません。 革命成就のために敢えて汚名を、この私、トマス金鍔次兵衛が!」 ビームスマートガンのレドームが回転を始める。ブッシュ隊がライフルの引き金に手をかけた。 『撃てば、貴様も死ぬぞ』 「我らが天主(デウス) さんたくるすの御しるしをもて 我らが敵をのがしめ給え 天主ぱあてれ ひいりよ すぴりつさんとの 御名をもて あめん」 男が奇妙な祈祷文を詠い終えたのと同時にウインドウに映る老人の演説も終了し、一拍置いてビームスマートガンからひとすじの赤い光が放たれた。 司令部のある建物の外壁が爆発した途端、ブッシュ隊の約半数の機体が、残る半数の味方に銃口を向けて引き金を引いた。彼らは示し合わせていたのである。 連邦軍のブッシュ隊は不意の裏切りになす術も無く破壊されて、同士討ちにもならなかった。 『ベイト大佐――いえ、トマス金鍔次兵衛枢機卿猊下。連邦軍施設の制圧および軌道上監視衛星の破壊は滞りなく進んでおります。あと数時間もすれば完了するでしょう。 火星連合加盟に同意を表明したドームは、現在のところ全体の約七割。異教徒の多いアルカディア地域などの新興ドーム郡は中立を主張しておりますが、それも時間の問題です』 「報告ご苦労、アンデレ権八郎」 アンデレ権八郎という青年の報告が済むと、ベイトは先ほど砲撃した建物にガンダムマルスのメインカメラを向けた。 派手な爆発とは裏腹に、建物の損傷自体は大したものではなかった。 外壁から内部の司令室にかけて、整った円形の穴が開き、そこから見える床のタイルに軽い焦げ付きがあるきりである。穴を塞ぐだけで司令室は機能を取り戻すであろう。 出力、照準ともにおそろしく精密なその射撃は、ガンダムマルスの性能の為せる業であった。 有無を言わせず連邦軍が徴用した火星の技術者たちが、たえ難きをたえしのび難きをしのんだ末に完成した好ましくない生い立ちの機体ではあるが、それがマーズノイドのものとなったならある種の英雄的色彩を帯びてくる。 裏切ったブッシュの中にはガンダムマルスを向いて祈るように両手を組んで跪いている機体や、大げさに十字を切る仕草をして見せる機体があった。 建物に空いた穴の横に、端末や内装の残骸、それから生身の人間が放り出されていた。気圧差で外に吸い出されたのである。 ベイトが少将閣下と呼んだ老人もそこに混じっている。彼らの直接の死因はマルスのビームによるものではなく、主に野外活動服を着ていないことによるものであった。 最期に顔を歪める余地があったのは、火星の半端なテラフォーミングが理由であろう。ベイトは胸に下げた十字架に手を触れて、 「いんぴいあんぱあしすゥ えっぽろすぺりたちすゥ じりがつなうすゥ おむにぽてんす……」 という古代語の呪文を唱えた。スペースノイドの元同僚たちを弔う意味があったかはわからない。彼の表情は小揺るぎもしていなかった。 遡って老人の演説が行われる少し前、火星の成層圏を一機の大型輸送艦が飛行していた。ずんぐりとしたその赤色の輸送艦は、カナリヤの同型艦『テレウス』である。 無駄な区画の多いカナリヤとは違って多数のMSを搭載でき、現在、その広い格納庫には三十機ものMSが鎮座していた。 どれも同じ機種で、五機の内に一機の割合で重装備が施されている。 後頭部にある二本の垂直アンテナと前に突き出した額が印象的なそれらの機体はMAS-66ガーランドというMSである。 スマートな体躯と各所スラスターによって高い機動性と運動性を誇り、加えて整備性や操作性にも優れている総合的に見て非常に優秀なMSではあるが、火星ドーム郡のMS部隊でしか用いられていなかった。 ガーランドは本来、連邦軍の主力MSとなるべく開発された機体で、ドーム・テーレマコスの軍需企業を中心とした火星ドーム郡の軍産学複合体が開発元である。 けれども、ガーランドが同時期に開発されたMSの中でも抜きん出たスペックを持ち、模擬戦で全勝という成果を収めたにもかかわらず、新宇宙暦066年の次期主力MSトライアルの結果、MSU-13の座はブッシュのものとなった。 ブッシュは月の企業が開発したのである。 三十機のガーランドの中に一機だけ全身を黒く塗装した機体があった。頭部の形状も少し異なっている。 黒いガーランドのコックピットには、赤毛の男が瞑想するような面持ちで佇んでいた。 『レオ五郎右衛門隊長、玉音放送が始まったみたいです』 通信でレオ五郎右衛門と呼ばれて、赤毛の男は微かに目じりを震わした。レオ五郎右衛門というのは洗礼名である。 スペースノイドの彼がコンパニヤというマーズノイドの宗教に入信してから一年の月日が過ぎている。しかし珍妙な洗礼名には未だに慣れることが出来ないでいた。 部下にはなるべく元の名前で呼んでもらいたかったが、彼らは火星の独立にかこつけて、今では公然と互いの洗礼名を呼び合うようになっている。そこに悪意が感じられないだけに赤毛の男としては決まりが悪い。 『ああ! 教皇ペトロ四郎猊下はなんと神々しいお方なのでしょう。満ち満ちた霊(アニマ)が目に見えるようです』 画面にいるペトロ四郎の姿に部下は感極まる様子であったが、赤毛の男からしてみれば、その老人は柔和な顔立ちという以外には別に取りたてて言うべきこともない老人である。 赤毛の男は恍惚とする部下たちを窘めて、あらためて作戦内容を確認させた。作戦開始は演説が終るのと同時である。 船体下部のハッチが幾つも開いて、下半身を固定された逆さ吊りのガーランドが姿を現した。 『ゼスス・キリシテ、サンタ・マリヤ、サンチャゴ』 全パイロットの合唱が聞える。赤毛の男も控えめに祈りの文句を唱えた。 『ゼスス・キリシテ、サンタ・マリヤ、サンチャゴ』 下半身の固定装置が外された。重力に引かれたガーランドが順々に滑り落ち、下に広がる雲の中へと消えて行った。降下目標は北極冠遺跡である。 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/i_am_a_yandere/pages/199.html
257 :リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] :2007/12/19(水) 02 17 50 ID lUt+bHho 炸裂超人アルティメットマン 第三話 始まった!吊下壊滅作戦 登場巨獣 爆泳巨獣マッカタン 空速巨獣ジオンゴ 電波怪獣ミルワー ごろごろごろごろ…そんな感じの轟音が吊下市全体に響いていた、音の主は勿論巨獣だ カジキマグロを太らせたようなその体躯を生かしてか、はたまた誰かに操られているのか…ごろごろと転がる 巨獣は、まるで粉砕ローラーのように建物を踏み潰して行く。 だって許せないじゃないか?コイツがあのやさしい彼を苦しめられるのが…そして、眼前に広がる街の住人が 彼を苦しめいているのが。 そう、彼を守るのは私ひとりでいい、そして…彼を愛するのも私ひとりでいいに決まってるんだから。 「どうもおかしいんだよな…そう思いますよね?隊員さん」 「ええ、でも一体コレとそれに何の関係が…」 JCM基地本部作戦司令室、約一年ぶりという久々のブリーフィング会議で、光一とガスマスクの隊員たちは首を ひねっていた。ここのところ急に強力になった怪獣軍団に対する迎撃のために集まったと言う名目だが…実際の ところ、敵の行動に関する問題はかなり複雑なものだった。 第二話での巨獣の謎の爆死にしてもそうだが、それ以上に今回の事件は奇妙だった…さきほどの戦闘では海から 現れた魚型の巨獣がいきなり地面を丸太のように転がって移動し、シヨッピングモールや商店街、さらに住宅街を 転がりながら破壊したあげく、何故か空から現れたミサイル型の巨獣に激突されて死亡してしまったのだ。 異常だ…一体何が起こっているのかわからない、さらに先日のタンク型巨獣による議事堂襲撃も、時間稼ぎに出動 したJCMのフライングパンケーキのミサイルと隊員の乗ったフライングプラットホームから放たれたロケット砲で簡単に 弱って行動不能になり、あっけなくやられてしまったのだ…普段ならどんな弱い巨獣でもはじき返して時間稼ぎにしかならないような ロケット弾で重量のありそうな巨獣を行動不能に追い込めると言うこの事態は…一体何が起こっているのか、戦々恐々…彼らの気持ち を言葉で表すならまさしくそんな感じだった。 「…やはり、この前殺し損ねた子供達をもう一度殺すために…やったんだと僕は思います」 がっくりとうなだれる光一、彼の手に握られた死亡確認者のリストには…前回彼と巴が助けた子供達と、その母親達・・・さらに商店街 の面々の名前が書かれていた。 光一の目に涙は無かった、いや…もう出し尽くしていた、そう言った方が正しいのだろうか、彼の目は真っ赤にはれていた。 「だとして…敵側の新しい総帥は…いったい何を考えているのか…」 「それが解れば…っと、失礼」 そういうなり光一はトイレに向かって駆け出す、原因は彼が最近与えられた携帯電話だ…先の議事堂破壊で、幸か不幸かアルティメット 星人の排除、及びJCMとアルティメット星人に対する予算削減案を出していた政治家が大勢死んだので、その分予算が増えて、光一の生活は テレビと携帯をもてるまでに豊かなものになっていた。 けっして最近巴がよく作ってくれる、おいしいけどなんか鉄っぽかったり、ナマっぽい味の弁当で腹を壊したわけではない。 「お疲れ様でした、今日はお仕事が終わったら大事なお話があるので早めに帰ってきてくださいね」 そんな文章を見て、光一は少し緊張すると共に…巨獣が自滅してくれてかなりグッドタイミングだったなあ、とそう感じた。 「いましばらくお待ちを、もう少しで帰りますよ」 そんな返事を送ると…光一はそのメールに対して奇妙な違和感に襲われた、言葉では言い表せないが、それはどこか奇妙で…とても見たく ないものを見せられているような気分だった。 258 :リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] :2007/12/19(水) 02 19 26 ID lUt+bHho 炸裂超人アルティメットマン 第三話 始まった!吊下壊滅作戦 それから一時間後、今後の対策をある程度話し合ってまとめた後にアパートに帰ってみると… そこには三つ指を突いて、指輪を差し出して頭を下げる巴の姿があった。 「私の家の、お婿さんになってください…」 光一はそういわれて、泣くほど嬉しかったが…まだ彼女とは性交どころかキスもしていない 事を思い出して、少し気恥ずかしい気分になった。 「…あ、あの、それじゃあ…不束者ですが…」 「よろしくお願いしますね、光一さん」 そんな雰囲気を読み取ったのかどうか、キスしてくれなきゃ嫌だと駄々をこねた巴と、自然に キスをする雰囲気になった光一は…二人ともその肩に手をかけて、唇を近づけた瞬間。 ばりいん!!と凄まじい音を立てて窓ガラスが砕け散った。 投石だ、その石にくくりつけられた布には血文字でこう書かれてあった、私の息子と妻を帰せ、と。 「ふざけるな!!まるで光一さんが誰かを殺したようなこと言って!この人が誰かを苦しめたのか?この 人がお前の家族を殺したのか!言ってみろ!言ってみろ!!!この!化け物め!!」 凄いスピードで投石をした犯人を捕まえた巴は、犯人である…巨獣の被害者に猛烈な講義をした、光一は 必死にそれをなだめたが…自分がもっと早くにあの場所についていれば…という考えが頭をよぎってもいたので 心の中はやるせない気持ちでいっぱいだった。 犯人を、怖がってアパートの中に入ろうとしない警察に突き出して、もう一度二人きりになっても…気まずい 空気が部屋に残っているだけだった。 「あ、ゴメン…隊員さんから呼び出しだ…今日は遅くなるかもしれない」 静寂は隊員さんのコールによって打ち砕かれた、なんでもテレビ局の近くに巨獣が現れたのだと言う…先ほどの ことがあるため、心の重い状態だったが、それでも急いでマイティワン号目指して光一は走った。 「うん…あのね、私は―何があっても、貴方の味方だから!覚えておいてね!!貴方が、アルティメットマンでも 東条光一でも、私は貴方が、すっごく大好きだから!!」 そういって叫ぶ巴の姿が光一には唯一の救いだった。 光一を見送ると、巴は自分の部屋に戻り…机に置かれたノートに眼をやった。そこには赤い字と黒い字で…吊下 市のあらゆる方向に矢印と、支持が書き込まれていた。 …生活はよくなってきてけど、それでも、やっぱり彼を苦しめる要因は…豚は多いんだよね…頑張って、恐怖心を 打ち消した振りして偽善で彼に必要以上にべたべたする商店街の連中も、ショッピングモールのクソみたいな母子共も …消したけど、まだたりないよね…やっぱり、元からそういうのは消さなきゃね…。 「あと残ってるのは二匹…ふふふ…」 空ろな目でそう呟きながら、巴は次々にノートに書き込みを繰り返した。 自分の行為を知ったら…彼はそれでも自分を好きでいてくれるかなあ?巴はそう思った。 でも…彼を苛める悪い存在は全部いなくなったほうがいいよね?あと偽善で彼に優しくする人間も要らないよね? 彼女はそうも思った。 理由?…それは決まっている、彼は私を愛していて、私も彼を愛していて…そして、私は彼一人を、世界で彼一人 をただ一人で独占的に愛したいからだ。 「光一…愛してるよ…だーいすき…」 巴の声が不気味にアパートに響き渡った。 259 :リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] :2007/12/19(水) 02 21 02 ID lUt+bHho 炸裂超人アルティメットマン 第三話 始まった!吊下壊滅作戦 「くそ!!いったいどうすれば…」 「どうもこうも…敵に人質を取られた以上、君も僕達もどうすることも出来ませんよ…」 今回現れたハエトリ草型の巨獣は、よりにもよってテレビ局の建物自体に己を絡ませるという暴挙に 出ていた。しかもその状況を面白がってか、建物の内部ではそのまま臨時特番を組み、徹底したJCMと アルティメットマンの批判を繰り広げていた。 「見えますかあの姿が、あれこそまさしくわれわれ人間を殺そうとする野蛮な宇宙人の姿です」 あきらかに私的な感情の発露だった、しかしこのニュースキャスターは、そんなことを公共の電波で嬉しそうにいっていた。 「…仕方ない、こうなったら僕がマイティワン号で後ろから怪獣の頭部に特攻をかけます…多分重量自体はそれほどないで しょうから、きっとひるむはずです…その隙に」 「…わかりました、ご武運を祈っていますよ」 そういって光一を乗せたマイティワン号が飛び立った瞬間、怪獣は発光すると、叫び声を揚げる。なんともいいがたいその声は… 一瞬にしてテレビの電波に乗り…そして。 ぼん!!という音を立てて、キャスターとスタッフ、それにテレビを見ていた視聴者の頭までもが…まるで針をさした風船のように破裂した。 「う…うああああああああああ!!!!」 マイティワン号に搭載されたモニターに写った、JCMの作戦会議室の…その光景を見た、光一は叫ぶしかなかった。 隊員たちの首が吹き飛んだのだ…敵は電波に乗せて破壊音波を送り込む生物なのだろう、そんな冷静な思考が頭をよぎる…しかし、それを 受け入れられるほど光一は冷静でもなかった。 「…あ、アアアアアアアアー!!!」 絶叫を上げて光一はマイティワン号から飛び出し、そのままアルティメットマンに変身する。巨獣も負けじと口から消化液のようなものを吐き つけるが、怒りのあまりに全身から炎を噴出すアルティメットマンの前にそのようなものが通じるわけが無かった。 アルティメットマンは怪獣の触手を掴みとり、手から噴出す炎でそれを焼ききる、絶叫を上げて逃げようとする怪獣だったがその行為はむなしく 終わった、その体をアルティメットマンが抱きしめたからだ。 凄まじい温度の抱擁で怪獣が燃やされていく、もがく事も出来ず、怪獣は生き地獄の苦しみを味わって、消し炭へと姿を変えた。 「ウアアアアアアアー!!!」 アルティメットマン…光一は、その姿で泣いた。自分が守れなかった命を悔やんで泣いた…自分の力不足が許せなかった、そして怖かった、大切な 人を失うのが怖かった…自分に協力してくれる隊員たちが死んだのも悲しかった…。 (神様…なんで僕は、僕はこんなにも辛い目にあうんですか?僕は一体なんで…存在するだけで目の前でこんなにも悲しい現実を見なくてはいけない のですか…) 衝心の光一はそんなふうに己の運命を、人生で初めて呪って…公園のベンチでうなだれていた。アパートに帰れば彼女…巴に泣きつくのは決定していた だからこそアパートには帰りたくなかった。 もう、誰かの負担にはなりたくなかった。 ブブブブブ…と、そんな静寂を打ち砕くようにポケットに入れた携帯電話が鳴った。 「はい…どうかしましたか…」 「お疲れ様でした、光一さん…その、気分は、大丈夫ですか…?」 そこから聞こえるのは可愛らしい、そしてよく聞きなれた巴の声だった…その声色は本気で光一の事を心配しているようだった。 「うん、大丈夫…でも、今日は…こうして一人で…」 そう言い掛けて、光一は直感的に…自分の感じていた、巴との違和感の正体に気づいた。 260 :リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] :2007/12/19(水) 02 23 04 ID lUt+bHho 炸裂超人アルティメットマン 第三話 始まった!吊下壊滅作戦 「ねえ、巴ちゃん…どうして君は、僕が巨獣と戦い終わったっていうことを…しってるの?」 喋っていて声がかすむ、それにやたらのどが渇く…それでも聞かなければいけなかった。そもそも 僕が巨獣と戦ったことが報道されるのは、原則的に事後一時間と決まっていた。 さらに言うなれば、僕が戦いを終えて会議室で休んでいる時間は定まっていないし、今日戦い終わった 事が報道される事は…事件の性質上、皆無に等しかったのだ。 「え…それは、その…テレビで・・・」 「…そう、それじゃあ…ちょっとそこの公園まで来てくれるかな?」 怪しい、この子は何かを隠しているんじゃないのか…そう考えた光一は機転を利かせて巴を公園に呼び出すと そのままアパートの、巴の部屋に向かった。 「…なんだ、コレは…」 ついている意味のない鍵をはずして巴の部屋の中に入ると、そこには大量のアルティメットマンと…光一の 写真が貼られていた、そしてその写真のどこかには必ず赤い字で愛、勝利、という書き込みがされていた…インク のようなどす黒い赤色のそれは、明らかに彼女の血そのものだった。 しかし一般人から見れば気持ちの悪い行為であるそれも、光一にとっては喜びの対象でしかなかった…自分の事を ここまで思っていてくれる人がいる、変質的なまでに愛してくれる人がいる…そのことがとても嬉しかった、だから 早く自分の中での彼女の疑いを晴らすためにも、そう考えてちゃぶ台の上のノートに手をかけて開き…そこに書き 込まれた言葉を見て、光一は絶句した。 (あのキャスターと、あんなクズ番組を見ている奴らの首を吹き飛ばせ!!) (彼を馬鹿にする奴らを潰してしまえ) そこに書かれた言葉と、稚拙な、そして明らかにしっかりしたデティールを持った怪獣のイラスト、さらにあの 時聞いた…動くな、その言葉が…彼の傷つきやすい心にダメージを与えるのは簡単に予想できた。 「…見ちゃったんだ」 「へ?」 彼の後ろには巴が立っていた、光一の背後、で巴は笑顔でこう呟いた。 「私は貴方がだいすきだよ?光一…でも、あなたは私のことが…それを見ても 大好きなのかな?教えて欲しいなあ?」 彼女の目はガラス玉のように空ろだった、光一はその目から視線がはずせなくなっていた。 窓からの風で、光一が読んでいたノートがめくれあがる、そのめくれたページにはある文字 がびっしりと書かれていた。 こういちだいすき、と。 第三話 END 261 :リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] :2007/12/19(水) 02 26 29 ID lUt+bHho 炸裂超人アルティメットマン 第四話 与えられた選択権、選ぶのは君だ!!君がアルティメットマンだ 登場巨獣 ??? ??? 「う…うわああああああああ!!!」 いきなり叫ぶなり、光一は背後の巴を突き飛ばして、自分の部屋に入って鍵をかけた、あっても無くても 意味のない安物の鍵だけど、それでもわずかながらの心の安心感は与えられた。 光一はそのまま毛布に包まって部屋の隅で震えた、怖かった、とても怖かった。 「巴ちゃんが敵?…嘘だ、嘘だ嘘だ嘘だ!!コレは夢だ…きっと酷く悪い夢なんだ!!!そうに決まってる!!」 光一は必死になって、自分の心を壊さないように今見た事実を否定して…それでも、がちゃがちゃと音を 立てる自分の部屋の扉の向こうにいる、巴の…いや、自分を騙して、篭絡しようとした巨獣の存在に恐怖していた。 がちゃり!音を立ててドアが開いた。 「もう、痛かったですよ!光一さん?」 「ひい!ひいい!来るな!!来るな!!化け物め!!」 光一は顔を伏せて丸くなった、そしてがたがた震える、その姿はまるで子供のそれだった。 「安心してください、酷い事もしませんし…光一さんを殺したりはしませんから」 「嘘だ!!寄るな…もう僕を、お願いだから騙さないでくれ!!頼むから!!!」 「いやですよ、だって私…光一さんの事を愛してますもの」 「うそだ!きっとそうやって、きみもぼくをだますんだ…くるなあああああ!!!うああああああ!!!」 光一は泣いた、その場で子供のように泣き崩れた…そのすぐ側には、彼らが倒すべき敵の、大ボス が立っているというのに。 「・・・黙っててごめんなさい、でも、あなたが…真実を知って悲しむところを見たくなかったんです」 巴はそう言って光一を抱きしめた。 「…だって、あなたのことがだいすきだから…」 そういう彼女の顔は、寂しげに笑っていた。 その言葉を聞いた光一は、まるで母の胸で抱かれて安堵する子供のごとく、彼女にしがみついて泣いた。 「私の正体は、貴方が察しての通り…巨獣の親玉、異次元からやってきた、裏次元総帥というものです」 落ち着いた光一に、巴はコーヒーを入れて語り始めた。 「本来、私の任務は巨獣に対する操作と、異次元支配のあかつきの統制役でした…でも、あの日あなたの お父さんによって殆どの巨獣を倒された私は出撃して…結果、敗れた私はわずかな記憶をもって近くに いた人間の子供の精神に寄生して…こうして一人の人間、阿佐巳 巴として生きてきたんです」 「…僕を殺すために、人になって近づくためにかい?」 目を真っ赤にして光一はそう答える。 「そう思われても仕方ありませんよね…でも、本当のところを言うと、私の体からこの、総帥としての 記憶が起きあがったのはほんの少し前、貴方に出会ってからで…あの日、貴方とであった事は本当に偶然 だったんです…総帥の力が使えて、ノートで支持が出せても…人間としての記憶はそのまま残っている分 あなたが大好きなことには変わりなくて…だからあの、光一さんの事をけなす豚どもにも制裁を加えたんです 馬鹿なザヤッガ―も、他の巨獣も、できるだけ貴方に負担が掛からないように、ノートの力で弱らせていたん です…だって…私は」 あなたが、こういちさんが、このせかいよりもだいすきだから…それくらいにあなたのことをあいしてたから。 巴はそう言い切った、その言葉に嘘とよどみは一切無かった。 チャンスだった、たぶんここで巨大化してこの子を踏み潰せば、全ては終わって世界は救われるはずだった。 でも、そんなことが…光一には出来るはずは無かった。 262 :リッサ ◆v0Z8Q0837k [sage ] :2007/12/19(水) 02 27 49 ID lUt+bHho 炸裂超人アルティメットマン 第三話 与えられた選択権、選ぶのは君だ!!君がアルティメットマンだ 自分自身が生きている意味なんて、自分が起こす行動では一生見いだせないものだと思ってた、そう 君に出会うまでは。 でもそれ以上に自分が生きていることに絶望する羽目になったんだ、そう、君を愛したから。 「…ノートには、あと2匹って書いてあったよね…残り分の巨獣を倒すと君はどうなるのかな?」 「…残り一匹は私の事です…勿論倒せれば世界は救えます」 重苦しい雰囲気の中で巴はそう告げた、コーヒーを飲む光一に対して巴は言葉を続ける。 「取りあえず一匹は私が倒します、そしてそいつの行動を、全力で私に重傷を負わせることにすれば …きっと光一さんも、私のことを倒しやすい状況になるでしょうから…」 その言葉を聞いて光一はうなだれた、そして数分の後に、巴に話しかけた。 「…どうして、あのときに…もう死ぬことがわかっていて、僕に婚約を申し込んだのかな?」 「…私のこと、忘れて欲しくなかったからですよ、思い出も欲しかったし…本当はもっと、キレイ な形で貴方の前から消える予定でしたから…」 「怖くはないのかい?よりにもよって自分の愛される人に殺されることになるんだよ?…」 「それを貴方が望むのなら…受け入れられるのが愛ですよ」 「ごめんね、僕の事を騙して、殺そうとしたなんて疑って…」 「いいんですよ、私が悪かったんですから…ん…」 僕は彼女の肩に手をかけて、そのまま彼女にキスをした…そしてようやく、彼女と結ばれた。 嬉しいはずのその行為は楽しめるわけもなく、とても陰鬱な気分でしかなかった。 「あ…すきい、だいすきぃ…こういちさん…ああ!!ああああっ!!!」 それでもそう言って、自分にキスを繰り返す彼女を見ていると…わずかだが、喜ぶ彼女の顔が最後に 見れて嬉しかったと思えた。 事後…疲れていたのか、眠りこける彼女を横にして僕は悩んでいた、この逃れられない運命を断ち切る 方法は無いものか、せめて彼女の望むように出来ないものかと…。 そして僕は― 1. 彼女を、何があっても一人にしないと決めた。 2. せめて彼女の望む方法で決着を付けてやろう、そう思った。 第四話 END
https://w.atwiki.jp/hamiyalog/pages/70.html
TOPIC 子犬たちの冒険譚 第三話「ロストメモリー」 GM高梨千里 20 58 夜来鳥さんがきたらはじめましょう! ウィル 20 58 はーい ルセリナ 20 58 はーい フィア 20 58 了解 マテル 20 58 はいー GM高梨千里 21 02 よし、では始めて行きましょう! よろしくお願いしますー!! フィア 21 02 よろしくお願いします。 ルセリナ 21 02 よろしくお願いいたします ノクス 21 02 よろしくお願いします ウィル 21 02 よろしくお願いしますー マテル 21 02 よろしくお願いします― GM高梨千里 21 02 では前回GMがすっかり忘れてた成長報告から行きましょう! ウィル 21 03 オゥイエー! マテル 21 03 イエア GM高梨千里 21 03 1d5 「よろしくお願いします」順! ダイス 21 03 GM高梨千里 - 1d5 = [1] = 1 フィア 21 03 俺か? ウィル 21 03 かのう GM高梨千里 21 04 ではフィアースからどうぞー フィア 21 05 ほい。フィアースはファイターとスカウトが1レベルずつ上がって、ファイター6、スカウト5に。能力成長は敏捷2と筋力1。 危機感知判定の達成値が上がる悪寒の付け毛を買ったので、今回から一房黒髪のメッシュが入るようになりました。あとは予備武器としてスリング買ったりなんだり。 以上! ノクス 21 07 GM? フィア 21 08 あ、ちなみに悪寒の付け毛は「悪寒のウィッグ」ってアイテムの相当品です。 ルセリナ 21 08 かぶるので、指定していってくださると ノクス 21 08 落ちてたようですね ルセリナ 21 08 あら ノクス 21 09 もう、そのままよろしく順で良いんじゃないかな (笑) ノクス 21 09 ってことでルセリナGO- フィア 21 09 あとでログ貼り付けましょうか ルセリナ 21 09 はーいw ルセリナです。 成長は器用、精神、知力。技能はファイターが6から7になりました。 今後はプリーストやエンハンサーも伸ばしはじめます。 買い物は小さなものを少しずつ。 ああ、有言実行ということで 夜色さん用のサバイバルコートを購入し押し付けておきました。お揃いです! 以上です GM高梨千里 21 10 ありがとうございました! では次の方、お願いします ノクスの提案を採用させてもらいますね、そのまま順番にどうぞー ノクス 21 14 ういさ、俺ね まず GM許可の元、操霊魔法について色々思い出しました。 一般技能扱いで知識のみ付与されています。 またこのあたりの話し合いに基づき、ノクスの旧キャラシートを大体の目測で作成しておきました http //cdice.sakura.ne.jp/sw2_cs/data/nox.html こちらです。お暇なときにでもどうぞ で、データ面としては、ファイターとライダーが上昇。能力値は筋力メインだったかな。 これに伴い、リソースを消費しない飛行手段がPTに入りました^^ 新たな騎獣はドラゴンインファント。フラトス(そよ風)です。 ウィル 21 18 おお ノクス 21 19 前回から名前だけは出てましたね。紹介前に (笑) GM高梨千里 21 19 その節は本当にすみませんでした ノクス 21 20 いえいえ。後はルセリナの紹介でもありましたが、フード付きのサバイバルコートを頂いたので装備しています ルセリナ 21 20 おそろいです! ノクス 21 20 はい (笑) ファイター技能が遅れたことでルセリナに一時的にHPを抜かれましたが、安定感としては依然高いはずなので気にしていません。 ええ、気にしていません。 フィア 21 21 自分に言い聞かせてる感 マテル 21 21 お、おう…… ノクス 21 21 よしツッコミ来た! (笑) ルセリナ 21 21 私は 筋力差が余計広がっていることを大分気にしておりますよ。 ノクス 21 22 (笑) ルセリナ 21 22 気にしておりますよ ノクス 21 22 お前も大概負けず嫌いだな (笑) フィア 21 22 似たもの主従ですね ノクス 21 23 ともあれそんなものかな。ああ、剣の結晶を1個ちゃんと買い足しています。 使うと俺だけ名誉点が減りますけど (笑) ノクス 21 23 以上です フィア 21 24 次はウィリアムかな? GM高梨千里 21 24 はい、よろしくお願いします ウィル 21 24 はーい ハイマンの種族特徴で魔力+1されてることを忘れていたウィリアムです コンジャラーを6スカウトを3に上げてさらに知力Bが4となりました 買い物はルルブEXからマナチャージクリスタルの五点を買いたいのですがGMいいですか? GM高梨千里 21 27 はい、構いませんよ ウィル 21 27 感謝ー で、その五点二つ買ったので一つを神官に投げ渡します 以上! GM高梨千里 21 28 それでは最後にマテル、よろしくお願いします マテル 21 29 はいー マテルはプリーストが6になり、とんがり帽子と消耗品を購入、成長は生命2敏捷1です ウィリアムからマナチャージクリスタルを貰いました いつか金か何かでお返しはするつもりです マテル 21 30 GM高梨千里 21 30 はい、ありがとうございました! それでは、子犬たちの冒険譚第三話「ロストメモリー」続きを始めていこうと思います! よろしくお願いします1 マテル 21 31 よろしくお願いします ルセリナ 21 31 よろしくお願いいたします ウィル 21 31 よろしくお願いしますー フィア 21 31 よろしくお願いします。 ノクス 21 31 よろしくお願いします GM高梨千里 21 32 それでは、場面2、「冒険者の店」という店に入ったところからですね。 その前に注意書きをもう一度。 今回のシナリオは長文をコピーすることが多くなると思われます。 裏で告知をしたあと、GMが改行を2回したら長文が張り出されます。 noticeで張り付けた後、「以上」と打って改行を再度2回行い、裏で終わった旨を言いますので、それまでは発言を控えてください。 また、今回のシナリオは「特定の行動をとる」と場面が進むことがあります。 キーとなる行動がとられた場合、「場面を進めます」の一言のあとに3回の改行を挟みます。 その前に進めていいかどうか確認を取りしばらく待ちますので、行いたい行動がある場合は宣言をお願いします。 また、進めても構わない場合はその旨を言っていただけると嬉しいです。 なお、今回からGMの独自解釈による描写が増える恐れがあります。 インターネットなどで調べてはおりますが、GMは改訂版のルールブックⅠ~Ⅲのみの所持のため、サプリメントとの矛盾が生じる可能性があります。 どうかご容赦ください。 以上 フィア 21 34 この卓ではこういうもの、ってことがありそうってことね。了解。 ウィル 21 35 ほいさ ルセリナ 21 35 わかりました マテル 21 36 りょうかいです ルセリナ 21 39 ええと、ボブさんに事件の話を聞くところからですね GM高梨千里 21 39 はい。 フィア 21 39 で、冒険者の店に入ったところからだっけ? 人さらいかってぐらい強引に連れてこられたから割りと警戒してるぞ。 GM高梨千里 21 40 皆さんが入ってきた時点で、ボブは深く頭を下げます。 ウィル 21 40 とりあえず様子見や ノクス 21 40 ノクスとしては警戒度はそこまで高くない。が、高くなくて今のフィアースと同じ程度という説もあるかもしれないなw とりあえずすべて話せと俺は言った。あとは向こうの出方次第だ。 ルセリナ 21 41 現時点で宿で聞いたのと、リリアさんのお母様から聞いた情報しかありませんし 出せる話は全部出してもらいましょう リリエさんでした GM高梨千里 21 42 【ボブ】「まず、強引な手になったことを謝らせてくれ。あそこは静かなんでな、人の声が聞こえたら真っ先に誰かが顔を出す可能性があったんだ」 ウィル 21 42 ふむ GM高梨千里 21 43 【ボブ】「あの辺には神官も住んでる。今日は隠してくれていたが、いつ何時あんたがドレイクだってバレるかわからない状況で、長話はできなかった」と、ノクスを見ます フィア 21 44 「……事情があったのは分かったけどよ。先に名乗るとかもうちょっとマシなやり方は無かったのかよ? 一応ノクスは神殿のお墨付きなんだが、それでもマズいぐらいこの街の締め付けは厳しいのか?」 ノクス 21 44 「それは理解はできる」 GM高梨千里 21 44 【ボブ】「ああ。なんたって、不死殺しお墨付きだからな。1区の壁は見ただろう?」 フィア 21 45 「あの崩れた壁のことか? 町長が直さなくていいとか言った、って話だが」 GM高梨千里 21 46 【ボブ】「ああ。ここ最近、町長がどんどん過激になってきてやがる。今じゃ、ナイトメアを産んだ女は墓すら作られず、森に捨てられる始末だ」 ルセリナ 21 47 「……なんと」 マテル 21 47 「……酷い」 ルセリナ 21 48 弔わなければよろしくない結果となることはわかりきってるでしょうに GM高梨千里 21 48 【ボブ】「1区と2区を遮る壁も見たな? あれができたのが1年ほど前だ。狂ってるとしか思えねえよ、ここだって安全なわけじゃないってのに」 フィア 21 48 「……ナイトメア」 そういえば、と森で出会った少女のことを思い出す。「そういや、ちょうどナイトメアの子どもとその母親って子に会ったが…… その子の母親の話か?」 その子の本当の母親の話か?だな GM高梨千里 21 49 【ボブ】「ん? リリエちゃんとアウラちゃんのことか?」 ノクス 21 50 「あれらにはおそらく、血のつながりは無かろう」 フィア 21 50 「母親って名乗ってた子の名前は聞いてないけど、ナイトメアの子の名前はそれだな。若すぎるから、義理の親かなにかだろうと思ったんだけど」 GM高梨千里 21 50 【ボブ】「いや、アウラちゃんはリリエちゃんの本当の母親じゃねえんだと。リリエちゃんの母親はあの子の……叔母って言ってたか?」 ルセリナ 21 52 つまり いとこということでしょうか GM高梨千里 21 52 【ボブ】「リリエちゃんの母親はあの子を産んだ時に死んじまったって聞いてる。で、男手一つで育ててた父親が、俺が来る半年くらいまえに亡くなったらしい」 そうですね>いとこ フィア 21 53 「それで自分がお母さん代わりに、か。しんどい話だな」 ノクス 21 53 「……」 GM高梨千里 21 53 【ボブ】「ああ……まだ15、6だったはずだぜ。俺も気にかけてるつもりなんだが、滅多に会わないんだよなあ」 ノクス 21 54 「(……母親、か)」 ルセリナ 21 54 「まあ家族に、血縁関係は必須ではありませんでしょう」 ウィル 21 54 「……」腕を組んで黙って聞いてます ルセリナ 21 55 赤子の頃に親元から離れ、それからずっとシーン神殿住まいなヴァルキリー GM高梨千里 21 55 【ボブ】「あの子たちに会ったって言ったが、こんな時間に外に出てたのか? 全く……」 ノクス 21 55 ←母親にはあった覚えがない マテル 21 56 小さいころに母親が死んで父親からは育児放棄気味な神官娘 フィア 21 56 ……家族関係複雑な奴多過ぎねーか、このパーティ。 ウィル 21 56 物心付いたときには一人だった人 ノクス 21 57 俺父親は一応まともなバルバロスですよ (笑) ルセリナ 21 57 種族的にどうしようもない者も多いですしね フィア 21 57 普通にグレて親元飛び出した俺が平凡に感じるぜ…… ノクス 21 57 叔父はGM曰くドエスでマッドらしいですが。 GM高梨千里 21 58 そう、まるでGMみたいに マテル 21 58 「……それで、その、ここで私達は何をすればいいのかしら」(話題そらすように ルセリナ 21 58 GMがドエスかドエムかはまたの機会に話すとして ノクス 21 58 うむ。 GM高梨千里 21 58 【ボブ】「おっと……悪い、話がそれたな」 ボブ】「あんたらに頼みたいのは、事件の調査と真相の解明だ。記憶喪失事件の真相と、原因を突き止めて欲しい。もしわかったら、俺に報告してくれ。それ相応の危険もあるかもしれねえが、敵が出ても倒さなくていい。倒せるなら倒してもらえるとありがたいがな」 ウィル 21 59 「……報酬はどれくらいだ?」 GM高梨千里 22 00 【ボブ】「報酬は……そうだな、1人4000Gだそう。お前らくらいのレベルなら、それくらいかと思うんだが、どうだ?」 【ボブ】「足りないってんならもう少し出せるが……」 ウィル 22 00 ふむ……まあ、妥当かな どうします? フィア 22 02 原因を突き止めるだけでいい、ってんならまずまずの報酬だな。自分らで解決できたらボーナスとか出ないかね? GM高梨千里 22 03 そのへんは交渉次第としますよ ルセリナ 22 03 ええ、最低原因究明として それ以上の成果が出た場合は追加が欲しいところです フィア 22 04 「原因究明だけで依頼完了なんだろ? ならそれで良いけど、解決まで持っていけたら追加報酬、って形にしてくれねえかな」 GM高梨千里 22 05 【ボブ】「なるほど、言われてみればそうだ。なら、解決までもっていけたら追加で1000Gだそう。悪いが、これ以上はちっと苦しいぞ」 ノクス 22 05 報酬交渉については任せるので黙っていよう。 えーと (笑) ひとついいですか!w GM高梨千里 22 06 【ボブ】「もちろん、1人1000G追加だ」 あ、はい ノクス 22 06 キャラじゃなくPLというかGM経験者としてなので裏で。シーンは続けてドウゾ フィア 22 07 無理言ってもしょうがないし…… これでいいか?と皆に目で問おう ウィル 22 08 「……」 (無言の肯定) マテル 22 09 (分からないから任せるといった目) ルセリナ 22 09 (異論はありませんよ とにこり) フィア 22 11 「……OK、それじゃ調査完了で4000、解決で+1000だな。請け負うよ」 GM高梨千里 22 11 【ボブ】「よかった……今頼れるのはお前らだけなんだ。頼んだぜ。調査中はここで泊まってくれ。もちろん、飯も出させてもらう」 【ボブ】「費用はいらねえ。俺だって何かしたいからな」 ノクス 22 12 「それは助かる」静かに頷きます。費用的なものはともかく、種族問題として、だな GM高梨千里 22 13 【ボブ】「俺はここに来てから短い。いい情報は出せねえが、一通りは話させてもらうぜ。なんでも聞いてくれ」 ルセリナ 22 13 そういえば 関係ないといえば関係ないのですが( 前回気になったというか引っかかった点なのですが この町で蘇生はそのような扱いなのか、と 冒険者ならいざしらず、まだ5歳の一般の子が……というのは違和感しか ウィル 22 14 「この街の地図はあるか?一枚、出来れば二枚欲しい」 GM高梨千里 22 15 【ボブ】「ああ、ちょっとまってくれよ……確か、この辺に……」そういって奥に引っ込んでいきますね。 フィア 22 15 ・ノクスが外を歩くのが不可能なぐらいこの街は穢れに対する締め付けが強いのか? ・外が非常に濃い霧に包まれているが、これはいつものことなのか? ・この店の冒険者は調査にかかっているのか? このあたり聞いておきたいな。 GM高梨千里 22 15 奥からガシャン、ゴトン!! という音が聞こえてきます。しばらくは戻ってこなさそうですね。 ルセリナ 22 16 整理整頓は大事ですね フィア 22 16 念のため聞いておきますが、物騒な物音じゃなくて物置とかをひっくり返してる音ですよね? >GM GM高梨千里 22 16 はい、あちらこちら探しまわっているようですね ウィル 22 17 調査で、もしかしたら二手に別れるかもしれんからのう…… フィア 22 17 場合によってはノクスに安楽椅子探偵をやってもらうことになるやもしれん GM高梨千里 22 18 【ボブ】「あー、あったあった! 1枚しかねえから、今から書き写す! 待っててくれー!!」と大声が響いてきます。 ノクス 22 18 その方が都合がよければ構わないよ (笑) ルセリナ 22 18 状況が状況ですし、無用な騒ぎは起こしたくありませんものね 私の夜色さんのどこに不満があるのだか、という個人的な意見は黙しておきましょう ノクス 22 19 「……フィアース。お前がやった方が早いのではないか」スカウト技能でできるよ GM高梨千里 22 19 そうですね。地図作成判定目標値7で可能です。声をかければ出てきますよ ルセリナ 22 19 セージでもできますね ノクス 22 19 店主の駄目っぷりをいつも通り感情ない目で見据えつつ言います フィア 22 19 「だな…… おーい、見せてくれりゃ俺が写すよ」声を掛けてみよう。 ルセリナ 22 20 アレックスさんにも頼んでみましょう ノクス 22 20 単純にセージ持ちより、ノクスからしたらフィアースが話しやすいかったので (笑) GM高梨千里 22 20 【ボブ】「あ、ああ……わりいなあ、紙とペンだ、使ってくれ」と羊皮紙6枚、ペンを何本かとインク壺を1つ渡してくれます。 そして、元になった地図はこうですね。 ルセリナ 22 21 着々と親密度が上がっているようで GM高梨千里 22 21 https //box.yahoo.co.jp/guest/viewer?sid=box-l-555ieeejluqd4h7xjbxwtjv7jm-1001 uniqid=091d4419-165d-4d36-b270-3f0b4d7829be viewtype=detail これが居住区の地図、 https //box.yahoo.co.jp/guest/viewer?sid=box-l-555ieeejluqd4h7xjbxwtjv7jm-1001 uniqid=14518d0a-757c-4380-a5af-fbbe32434b66 viewtype=detail これが全体地図です フィア 22 21 おおっ マテル 22 21 おお…… ウィル 22 21 おお フィア 22 21 すげえ凝ってる! GM高梨千里 22 22 中に吹き出しがあるのはないという方向で……(これ以上いい案が思いつかなかった) ルセリナ 22 22 ひとまず保存 GM高梨千里 22 23 全体地図の方は、左が居住区、真ん中が商業区、右端にあるのがかつて工業区であったところだと伝えてくれます フィア 22 24 じゃ、俺とアレックスで手分けして書き写すか。せっかくだから6枚分写しちゃおう GM高梨千里 22 24 ちなみに奥を見ると、くしゃくしゃになった羊皮紙の束が……ボブはかなり不器用なようです。 つまり、ここでの食事はお察し。 ノクス 22 24 ルセリナ、出番らしいぞ (笑) ウィル 22 25 仕方ない、腕を振るうか ルセリナ 22 25 お任せを( GM高梨千里 22 25 ちなみに2d-3です。ウィリアムより下手。 ノクス 22 25 俺は乾し肉で我慢しよう ウィル 22 25 負けた (´・ω・`) ルセリナ 22 25 ええと、地図製作の判定は一度でよいでしょうか マテル 22 25 勝ってんのよ! GM高梨千里 22 25 はい、構いません。 ルセリナ 22 25 では振ります GM高梨千里 22 25 お願いします ルセリナ 22 26 2d+6+5 アレックスさんの地図製作判定 セージ知力B ダイス 22 26 ルセリナ - 2d+6+5 = [1,6]+6+5 = 18 GM高梨千里 22 26 はい、精巧な地図が書けました。 フィア 22 27 2d+7 地図作成 ダイス 22 27 フィア - 2d+7 = [3,1]+7 = 11 フィア 22 27 すまん、ちょっと下手だった GM高梨千里 22 27 フィアースも問題なく写せました。 【ボブ】「ほぉ、うまいもんだなあ」 マテル 22 27 ああ知力だったら手伝えばよかった ウィル 22 28 手伝う気なし GM高梨千里 22 28 では、30分が経過しました。 フィア 22 28 で、今出てる質問がこんなとこか ・ノクスが外を歩くのが不可能なぐらいこの街は穢れに対する締め付けが強いのか? ・外が非常に濃い霧に包まれているが、これはいつものことなのか? ・この店の冒険者は調査にかかっているのか? ・5歳の子供(リリエ)が蘇生を受けているようだが、この街では普通なのか? 俺らが書き写してる間にこの辺は聞いておいてくれると嬉しい ノクス 22 29 時間カウントはあり、と。以後は気を付けた方がよさそうだな GM高梨千里 22 29 それでは、質問はRPで行きましょう。 【ボブ】「俺がエルディム来たのは1年半前なんだ。だからあんまり昔のことは知らねぇんだが……」 【ボブ】「順序立てて話すのは得意じゃないからな……質問してもらって、俺が答えるって形のほうがお前らもわかりやすいと思う」 フィア 22 31 「それじゃまず、俺らの身の安全に直結するところから聞くか。ノクスが外を歩くのが不可能なぐらいこの街は穢れに対する締め付けが強いのか?」 GM高梨千里 22 31 【ボブ】「そもそもドレイクがこの町にいたことがないからなあ……ただ、コボルトやラミア、ウィークリングは全員1区に追い出されてるぜ。気をつけたほうがいい」 【ボブ】「今のだと角があるのがわかっちまうからなあ……難しいと思うぜ」 マテル 22 32 「完全アウトね」 GM高梨千里 22 32 【ボブ】「ただ、夜は誰も出てこねえはずだ。夜なら大丈夫だろう」 フィア 22 33 「一応、1区を歩く分には問題なさそうなんだな。やっぱり手分けして調査するべきかね……」 「それじゃ次。外がかなり濃い霧に包まれているが、これはいつものことなのか?」 GM高梨千里 22 33 【ボブ】「あの霧なあ……日が落ちた頃、そうだな、夕方くらいから、未明まで出てる。出始めたのは……そうだな、半年くらいまえか?」 【ボブ】「俺もあの霧が出てきたら、外には出ないようにしてる。もし記憶を失っちまったら、冒険者を呼び続けることはできねえからな」 【ボブ】「今くらいまで濃くなってきたのは、ちょうど1月ほど前……被害者が出始めたあたりだ」 ルセリナ 22 36 「全くの無関係、とは言えなそうですね」 フィア 22 36 霧が濃くなった時期と被害が出始めた時期が一致するんだな。ブランク説が濃厚になってきた気がする…… 「次の質問良いか? この店の他の冒険者はどうしてるんだ? 先に調査に入ってるのか?」 GM高梨千里 22 37 【ボブ】「ああ……あいつらは、今神殿だよ。他の奴らには、外に助けを求めてもらってる」 フィア 22 38 「神殿ってのは、記憶を失って神殿で治療を受けてるってことか?」 GM高梨千里 22 38 【ボブ】「ああ……ここはあんたらんところよりも新米ばっかりだ。ここで一番レベルが高かったパーティも、レベルが平均5とちょっと、人数もたった3人だった」 【ボブ】「どうしてもじっとしてられないってんで、調査に向かったんだが……なあ……」 ノクス 22 39 街としてどうなんだレベルの問題ですねそれは (笑) フィア 22 39 俺らもレベルじゃ大して変わらんけどな…… GM高梨千里 22 40 【ボブ】「なにせ、バーレスのほうが仕事があるからな。ここじゃせいぜい自警団の真似事程度だ」 フィア 22 40 「次の質問。5歳の子供……リリエが蘇生を受けているようだが、この街では普通なのか? 穢れに厳しいって話と食い違いがあるような気がするんだが」 GM高梨千里 22 40 【ボブ】「リリエちゃんが蘇生……? そういや角が大きいなとは思ってたが……ほら、ナイトメアって時々角がでかくなるだろう?」 フィア 22 41 「あの子個人の特徴なのか……? この街で蘇生を請け負ってくれるとしたら誰が思い当たるかね」 GM高梨千里 22 42 【ボブ】「ここに蘇生ができるほどの操霊術師はいねえ。そりゃ、バーレスやルキスラにいきゃあごろごろいるだろうが……どこで蘇生されたんだ……?」 【ボブ】「悪い、俺もよくわからん。町の奴らも詳しくは知らんだろう。蘇生に関してはほぼ無知な奴ばっかりだ」 【ボブ】「……いや、あの人なら、あるいは……」と、小さな声でつぶやきます。 【ボブ】「いや、ただの思いつきだ。忘れてくれ」 フィア 22 43 「あの人? そこまで言ってだんまりは無いだろ、教えてくれよ」 ルセリナ 22 43 「いえ、今は情報が多く欲しいところです。何か思い当たることがあるならば教えてくださいませ」 GM高梨千里 22 43 【ボブ】「……ただの噂なんだが……物知りのエルフの爺さんが1区のどこかにいるらしいぜ」 ノクス 22 44 「些細な情報が後に重大になる場合もある。問題があるというならお前が話したことは他言しない」いれそこねた (笑) 先にいったってことで一つw GM高梨千里 22 44 あ、はい! フィア 22 45 「物知りのエルフね…… 後で話を聞きに行ってみるか」 ノクス 22 46 地図にマーカーを入れてもらおう あ、どっかgだなw GM高梨千里 22 46 【ボブ】「俺も詳しくは知らねえんだが、どうやら500歳を超えたすげえ人らしい。本当に人族かどうか怪しいもんだが、見た目的にはちゃんとエルフみたいだぜ。その人ならなにか知ってるかもしれねえな」 【ボブ】「居場所は……探せば知ってる奴が1人や2人いると思うがなあ」 フィア 22 48 「了解、後で探してみるわ。ところで、この街に守りの剣って置いてあるんだよな? 剣の範囲は分かるか?」 GM高梨千里 22 49 【ボブ】「……これは、絶対に内緒だぞ」 【ボブ】「上の奴らによれば、3区にあるでかい建物中らしい。だが、俺達の中では、守りの剣はすでにないんじゃないかっていう噂が流れてる」 ノクス 22 50 「あるぞ。確かに弱いが」しれり フィア 22 51 守りの剣探知機が居た GM高梨千里 22 51 【ボブ】「ああ、そうなのか……だが、やつらのいうあの建物に、最近人の出入りがあったことがない。多分弱ってるだろうな」 ウィル 22 52 剣の欠片がそろそろ切れるか ノクス 22 52 「まぁ、その弱いと感じる部分が、守りの剣自体ではなくなって某かの代用から来ている、という可能性はあるが」 フィア 22 52 「そこら辺で欠片持ち狩ってきて捧げたらノクスの頭痛が強くなるのかね」 ノクス 22 52 「感覚としては、普通に剣の力が弱まっているという方が妥当だろうな」 GM高梨千里 22 53 【ボブ】「そうか、まだ剣はあるのか……安心したよ、1区や2区の連中にも伝えてやらないとな」 ノクス 22 53 「今はやめておけ。そも、バルバロスが宣言したとでもいうつもりか」 ルセリナ 22 53 「……夜色さんにはよくないことなのですけれど、剣の力が弱まっていることは無視できません。上で何か起きているのは確実でしょうね」 GM高梨千里 22 54 【ボブ】「下々の噂の力をなめちゃいけないぜ? ちょっと噂を流してやれば、すぐに広まるさ」>ノクス フィア 22 54 「弱まってるって話だし、ちゃんと機能してるかどうかも分からんからな。変に安心させるより、警戒を強めてもらった方が良いと思うぞ」 ノクス 22 54 「別に今更構わん。頭痛程度にはもう慣れた」>ルセリナ GM高梨千里 22 54 【ボブ】「そうか……分かった。気をつけるようにする」 ノクス 22 55 「それをやめておけと言っている。理由はフィアースに同意だ」 ウィル 22 55 「必要なら痛み止めを処方してもいいぞ……有料だがな (小声」 ノクス 22 55 >店主 GM高梨千里 22 55 【ボブ】「ああ、みんなには気をつけろと言っておこう。忠告感謝する」 フィア 22 55 「そうだ、記憶を失った被害者ってどの当たりで被害にあったかは分かるか?」 ルセリナ 22 55 「そこは慣れてくださらなくてよい部分です。」>ノクス ノクス 22 55 「感覚が鈍るのは好まないゆえ遠慮する」>ウィル ウィル 22 56 「そうか」 GM高梨千里 22 56 【ボブ】「地図を見てくれ。商業区から工業区に向かう道があるな? だいたいはそこで見つかって、みんなティダン神殿に運ばれていった」 フィア 22 57 地図で灰色の円が書かれている部分かな? GM高梨千里 22 57 そうですね。 (印入れたの忘れてた9 フィア 22 58 剣があるらしき場所から遠いし、あの当たりは範囲外ということもあるかもね 「あ、あと被害があった時間帯も聞いておきたい。やっぱ夜なのか?」 GM高梨千里 23 00 【ボブ】「発見されたのが朝方だからな、夜だとは思うが、具体的な時間帯まではわからん」 ノクス 23 00 「人の世界で暮らすならば必要なことだ。お前が気にすることはない」邪魔にならない程度の声で返答はしておく>ルセリナ ルセリナ 23 01 「ティダン神殿に一度ご挨拶に参りましょう。話が聞けるかもしれません」 ウィル 23 01 「……そういえば、この街には不死狩りなんてものが居るそうだな」 GM高梨千里 23 02 【ボブ】「ああ、俺達は会ったこともないがな。貴族の奴らが囲い込んでやがる」 ノクス 23 02 あの過激派は物騒だからなぁ…… (笑) あ、PL発言ですw GM高梨千里 23 02 【ボブ】「あいつらのほうが情報もたくさん持ってるし、コネもあるからな。不死狩りもこっちにはなんにもしてこねえよ。不死者もいねえしな」 PL 発言了解です マテル 23 06 「太陽神の信徒が弱者を排斥する町にお墨付きを与えるだなんてあまり実感がわかないけど……」 GM高梨千里 23 06 【ボブ】「その辺は隠してるんじゃねえか? 俺もよくわからんが」 ウィル 23 07 「これくらいか今聞きたい情報は……」 マテル 23 07 「あ、そういえば区ごとに検問ってあるの?」 「万が一こいつ(ノクス)が中に入ることがあったらアレだし」 GM高梨千里 23 08 【ボブ】「ああ、5区以外にはねえよ。5区は門の前で素っ裸に剥かれるって噂があるが」 ルセリナ 23 08 ひどいですね ウィル 23 09 行きたくないなぁ マテル 23 09 「本当だとしたらなんて酷い話……噂よね?」 GM高梨千里 23 09 【ボブ】「まあ、あくまでも噂だな。ここの町の奴らは5区に行こうなんて思いもしないから」 フィア 23 09 まあ、別に町長の家に用があるわけでもねえけど…… どうしても行きたいなら忍びこむかね マテル 23 11 「了解、じゃ、私は他に思いつかないから終わり」 GM高梨千里 23 16 【ボブ】「もう質問はねえのか?」 ノクス 23 16 「ひとつ」 GM高梨千里 23 16 【ボブ】「なんだ?」 ノクス 23 16 「冒険者向けの買い物は出来るか」 主にGMへの質問なんですけどね。 今回、出てくる前にほとんど準備させてもらえなかったじゃないですか (笑) 指輪とか便利アイテムとかかってもいいんでしょうかねって GM高梨千里 23 17 【ボブ】「ああ、可能だ。明日の11 00ごろから、商業区にいけば一通り買えるぜ。費用もある程度までだったら俺が買おう」 () 【ボブ】「流石に10000Gとかになると厳しいから、そのへんは加減を頼むぜ」 ノクス 23 18 「ほう」 GM高梨千里 23 19 【ボブ】「割と何でも揃ってる。流石に熟練者向きの武器や防具なんかはねえがな」 ウィル 23 19 「魔晶石を買い込もう」 (ゲス顔) GM高梨千里 23 20 システム的に言うとAランクまでなら武器や防具も売ってます。魔晶石は10点までなら マテル 23 20 「指輪も買い込みましょう」() ノクス 23 20 魔晶石はシティでは必要性は低め ルセリナ 23 20 「買い物は大事ですね」 ノクス 23 20 指輪はある程度あったほうがいい。 GM高梨千里 23 20 【ボブ】「おいおい、10000Gまでだからな!! さすがにそれ以上買われると破産しちまう!!」 ノクス 23 21 あと、俺がこの提案をしたのは、ルセリナ(の中の人)、青目赤目はEXにあるかい ルセリナ 23 21 ありますよ >青赤目 ノクス 23 21 OK。じゃあそれは買っておこう GM高梨千里 23 24 【ボブ】「ところで、もうそろそろ19 00だが、これから調査するつもりなのか?」 【ボブ】「今からじゃ霧が濃いし、明日にした方がいいと思うが……お前らに倒れられちゃ、俺も困る」 フィア 23 27 「そうだな。工業区の調査は明日に回すとして、今日は軽く街の中見るだけにしておくよ」 GM高梨千里 23 27 【ボブ】「そうしてくれ。寝床の準備はしておく。……飯食うか? 今日はうまく作れる気がする」 ルセリナ 23 28 「厨房と食材をお貸しいただければ、私もお手伝いいたしますよ」 ウィル 23 28 「俺もやろう」 ノクス 23 28 「霧は事件に関係しているかもしれないからな。様子は見ておきたい。今日のところは念のため、手が空きそうな全員でいっておくか」 料理班が残るらしいので (笑) GM高梨千里 23 29 【ボブ】「お、本当か? 助かるよ、これだけ大勢の料理を作ったことがねえからな」と、店主は張り切って調理道具を出し始めます。 フィア 23 29 「お前は調査だ」 ウィルを引き剥がそう マテル 23 29 「砂糖テロは諦めなさい」 ノクス 23 29 少しクスっとした (笑)<ウィル引っ張り ウィル 23 29 「ぐぬぬ……」 (ズリズリ) GM高梨千里 23 29 夕食を食べないで捜査に出ますか? ノクス 23 29 「だそうだ、諦めろ」>ウィル ですね、まぁ軽く。もう暗いですよね? フィア 23 30 ノクス、俺、ウィルが捜査かな。軽く調べてから店に戻って飯を食おう ノクス 23 30 そうじゃなければもう暫し待ちますが ウィル 23 30 「……」 (いじける) GM高梨千里 23 30 もう真っ暗ですね。霧もかなり濃くなっています。 ルセリナ 23 30 可愛らしいw ノクス 23 31 アレクも暇そうだから乗っけていこう ひょい。 ルセリナ 23 31 むむ GM高梨千里 23 31 アレックス、たぶんめっちゃ喜んでる ノクス 23 31 フードはしっかりかぶり直しました。 ウィル 23 32 とぼとぼ歩いてます フィア 23 32 今日はあと寝るだけの予定だしディスガイズも掛けておこうぜ ルセリナ 23 32 調査後食事でも構わないのですけれど、私だけお留守番は哀しいものがありますね ノクス 23 32 ああ、頼めるなら ウィル 23 32 ディスガイズ持つかのう まあいいか ノクス 23 32 1時間も行く気はないよw ウィル 23 32 行使いくよー GM高梨千里 23 32 はい、どうぞ ウィル 23 32 2d+6+4+1 ダイス 23 32 ウィル - 2d+6+4+1 = [5,2]+6+4+1 = 18 ウィル 23 33 発動 フィア 23 33 あ、連絡用にアレックスのファミリアを残しておいてもらおう ノクス 23 33 多分まだ情報がそろってない段階で歩に出深夜の見回りは危険だと思うんだよ>ルセリナ だから今日行くならこの時間かなと 段階で、本気で深夜の、とかいたのw ルセリナ 23 33 はい、お預かりします 何のファミリアなのでしょうかね フィア 23 34 居る前提で書いたけどそういえば書かれてないから居ないかもしれん GM高梨千里 23 35 ファミリアって行使で呼べるんですっけ? ノクス 23 35 まぁ、いない場合は今夜作る、ということで。今からは何もないことを祈ろうw ルセリナ 23 35 さすがに作っていないということはないと思いますけれど ノクス 23 35 作成1時間>GM GM高梨千里 23 36 あぶない、3見てました……ありがとうございます フィア 23 36 そういやマテルは捜査と料理どっちだっけ ノクス 23 37 宣言がないから居残りと思ってる ルセリナ 23 37 まあ問題ないなら、進めましょうか 無事の帰りをお待ちしていますね GM高梨千里 23 37 【ボブ】「おい、大丈夫なのか? 霧がどんなものなのかわからんのに、危ないんじゃないのか」とボブは心配そうですね マテル 23 38 あれ、砂糖テロ止めたから着いてくつもりでしたけど ウィル 23 39 まあ、待ってるといいよマテルだけに フィア 23 39 山田くーん座布団持ってってー ルセリナ 23 39 今ウィルさんが ノクス 23 39 マテルが出る場合はその砂糖テロウィルあたりをのこさないといけなくなるんだ。ルセリナ一人だと流石になぁ マテル 23 40 (じゃあウィルに塩テロするので)残りますね ルセリナ 23 40 女子組男子組に別れましょうか( マテルさん、一緒にお料理しましょう ウィル 23 40 オイバカヤメロ フィア 23 40 では男組捜査、女性組料理で。ボブには危なくならないうちにすぐ戻ると伝えておきます。 GM高梨千里 23 40 【ボブ】「何時間くらいで戻るつもりだ?」 マテル 23 41 ルセリナさんりょーかい、今日こそまともに料理成功させてやるんだから フィア 23 41 「1時間もしないうちに戻るよ」 GM高梨千里 23 41 【ボブ】「ぐるっと廻るだけなら30分ほどだろう。入り組んでるから気をつけろよ」と告げて送り出してくれました。 ノクス 23 41 「まだ深夜というわけでもない、この付近だけだ。危険があるとしてもある程度の様子見は必要だろう」 GM高梨千里 23 41 では、具体的にどこを回るか教えて下さい。 ルセリナ 23 42 「ではそれに合わせて食事を準備しておきますね」 食材次第ですが、夜色さんが食べられそうなものも用意できますでしょうか フィア 23 42 1区をぐるっと回って剣範囲確認+変わったものがないか確認をしておきたかったけど、それだと時間掛かり過ぎるかな GM高梨千里 23 42 質素ですが、食材はいろいろなものを用意してくれているようです。肉もある程度ありますね。 ウィル 23 42 三番街をぐるり? フィア 23 43 グルっと回って30分というのは、2区を回ってそれくらいかかるってこと? GM高梨千里 23 43 いえ、居住区のことを言っているつもりでした フィア 23 43 居住区全体か。 GM高梨千里 23 43 3区くらいなら10分ほどでまわれます 現実の隣町くらい(奈良県橿原市) フィア 23 44 1区2区3区をぐるっと廻るで良いかな GM高梨千里 23 44 1区にいくには往復20分かかるようです(門の関係で) フィア 23 44 ああ、じゃあ1区はまた明日改めて行ったほうがいいな ウィル 23 45 だね ノクス 23 45 かな フィア 23 45 2区、3区を回るということで。 ウィル 23 45 野郎三人の夜の散歩……むさ苦しい フィア 23 46 マスコットもいるよ! ノクス 23 46 マスコット乗ってるよ。肩に マテル 23 46 もふもふがおるやろ! GM高梨千里 23 46 では2区3区を回る、ということで。所要時間は15分、町民会館を調査するのであればそれにプラスかかります。よろしいですか? ウィル 23 46 ……ああ、癒される はーい フィア 23 46 町民会館の周りも調査するか。そこそこ時間余るし。 GM高梨千里 23 47 現在時刻は19 30を回ったところです。 外に出ると、人が全くいないのと、白い霧が満ちていることに気付きました。民家はみな戸を固く締め、窓も全て閉まっています。 ノクス 23 48 ふむ。かえって目撃されることはなさそうだな ちょっと試みにやってみたいことが。 ウィル 23 49 ふむ……寒そうだのう (コートにくるまる ノクス 23 49 フラトスを出して、高空へ登ってみたい。異常が見られないか町全体を俯瞰するってことだな。 GM高梨千里 23 49 構いません。では、どうぞ ノクス 23 50 ということでRPでちゃんと言おう フィア 23 50 ところでディスガイズで何に変身したんだろう ノクス 23 50 「フィアース。少し、やっておきたいことがある」 フィア 23 50 「何だ? マテルとルセリナが居ないし、あんまり危ないことはナシだぞ」 ウィル 23 51 角なしノクス ノクス 23 51 角消してエルフっぽくでもしてるんじゃないですかね (笑) 色合い的にダクエル色ですけどw すっと上を指す 「上から、俯瞰しておきたい。お前は見えんと思うが、来るか」 フィア 23 53 「……上? ああ、新しい騎獣か…… いや、俺とお前で行くとウィルとアレックスが残ることになるし、俺はやめとくよ。ウィル行ってきたらどうだ?」 ウィル 23 53 「え……タビット、行ってこい」 フィア 23 54 「何だウィル、お前高所恐怖症か?」 ウィル 23 54 「そんな訳あるか……」 ノクス 23 55 何かを発見できるとしたらスカウトカナとは思いますね フィア 23 55 ということなんで、ウィル頼んだw ウィル 23 55 (´・ω・`)…… 「くそっ、行ったら良いんだろういけば!」 GM高梨千里 23 56 ということで、ノクスとウィリアムが空を飛ぶってことでいいですか? フィア 23 57 それでOKです ウィル 23 57 はい……ノクスにしがみついてます ノクス 23 57 ほい (笑) GM高梨千里 23 58 では、上空に行くと、3mくらいで霧から抜けることができました。白い霧が、5区を除くエルディム全体を覆っていることがわかります。 ノクス 23 58 「……怖いなら前に乗せてやった方がよかったか? 安定するが」>ウィル 5区を除く、なぁ ウィル 23 59 「別に怖くない!……ちょっと寒いだけだ」 (プルプル) GM高梨千里 23 59 城壁でかろうじて押しとどめられているように見えますね。また、居住区を含む全ての場所が、ひっそりと静まり返り真っ暗であることがわかります。 ノクス 00 00 「そうか。俺にとっては、――……良い、風なのだがな」 少し目を細めつつ。 GM高梨千里 00 00 さあ、風を感じていた2人は、ふと工業区のほうから、甘い匂いが微かにすることに気づきます。 ノクス 00 00 異常がないか、全域を確かめるために少しは知らせ……お。 GM高梨千里 00 00 どうやら、工業区に満ちているものだけ、霧が異質なようです。かすかに青いような気がします。 ノクス 00 01 少し寄せてみよう。霧の中には入らない。 GM高梨千里 00 01 はい。では、この香りを以前に嗅いだ気があるような気がします。 思い出せるかどうか、見識判定5いってみましょう 見識判定 目標値5の間違いです 失礼しました ウィル 00 02 2d+3+4 見識 ダイス 00 02 ウィル - 2d+3+4 = [2,6]+3+4 = 15 ノクス 00 03 2d6 ダイス 00 03 ノクス - 2d6 = [3,4] = 7 GM高梨千里 00 03 では二人共、これが「青薔薇のエキス」の匂いに酷似していると感じます。もらった奇跡の香水ではなく、青薔薇のエキスの匂いです。 ウィル 00 03 げ ノクス 00 04 「――……これは」眉根を寄せ 「気づいたか、ウィリアム」 GM高梨千里 00 04 幸い、地表は風が吹いておらず、また城壁があるので流れてくる可能性はほぼないと言っていいでしょう。 ウィル 00 04 「俺を誰だと思っている?気付いているに決まってるだろう」 GM高梨千里 00 05 ただし、一度風が吹けば、1区はひとたまりもないでしょうね ノクス 00 06 「ならばいい。だが、流石に降りるわけにはいかないな。明日の昼間、調査を行うのが良いだろう」 フィア 00 06 幽霊騒ぎかと思ったら、化学汚染だった? 青薔薇のエキスの効能に記憶喪失とかあったっけ ウィル 00 06 早く知らせなあかんね GM高梨千里 00 06 青薔薇のエキスに記憶喪失の効果はありません。 ウィル 00 06 「そうだな……降りるときはゆっくり頼む」 GM高梨千里 00 07 下に降りていきますか? ノクス 00 07 くつ、とその言に小さく笑い。 コートから袖だけ抜いて、裏返しにぼふっと被せましょうかー ウィル 00 08 「んぁ?なんの真似だ??」 ノクス 00 08 「寒いのだろう」 それだけ言ってフラトスを走らせますよ ウィル 00 09 「まあな……って速い!?」 ノクス 00 09 頭から被せたから、見えずにはすむんじゃないかな?^^ ひゅーw ウィル 00 10 そういう問題じゃない、見えないから余計怖いのだよ!? ノクス 00 10 おや、怖くはないのだろう? ウィル 00 11 ぐぬぬ…… ノクス 00 11 という感じでさくっと皆のところへ戻っておりました^^ ルセリナ 00 11 一方その頃 調理中のお嬢が不穏な気配を察知しておりました フィア 00 11 「おかえり。……楽しそうだったな?」ニヤリ ウィル 00 11 「……もう二度と乗らん」 (プルプル) 「楽しくないわ阿呆!」 ノクス 00 12 ひょいっと降りて抱えおろしてやろうか?^^ GM高梨千里 00 12 そこには、ノクスにエスコートされるウィリアムの姿が…… ウィル 00 12 自分で降ります ノクス 00 12 ははは、良かったな足が動いて (笑) くつくつと笑っているよw ウィル 00 13 ……いつか、仕返ししてやる GM高梨千里 00 13 さあ、そんな仲良さげな2人の様子を見たルセリナさん、反応どうぞ ルセリナ 00 13 ……にこり ノクス 00 14 「残念だな。飛ぶことは気持ちいいものだぞ」少しだけ、遠い目で言いますね>ウィル GM高梨千里 00 14 そこには、へし折れたお玉の姿が…… フィア 00 14 まって、もう帰ってきたんだっけw ルセリナ 00 14 借り物を壊したりはいたしませんよ(笑 ノクス 00 14 帰ってないよ (笑) まぁ店の前だと思うけどw マテル 00 14 ……自前なら? ウィル 00 14 「……空を飛ぶのは前世で懲りた」 ノクス 00 14 「ほう」 「まぁそれはさておき、報告がある」 フラトスを撫でて労いつつ、真面目な顔で向き直りますね そして、かくしか。OK? ルセリナ 00 15 まだ私も若輩の身です。筋力25をコントロールできない場面も多々ありましょう(しれっ フィア 00 15 把握した。 GM高梨千里 00 15 ボブもそれを聞いていましたね。 フィア 00 16 待った、GMとPLで状況認識が食い違ってる ? GM高梨千里 00 16 ん? 「みんなのところに」ってフィアースたちか! すみません! ルセリナ 00 16 ですよ( ノクス 00 16 ですよw GM高梨千里 00 16 てっきりそのまま店の前まで時間が飛んだとばかり……失礼しました ノクス 00 17 ああ、そうですね。表現も紛らわしかった、申し訳ない GM高梨千里 00 17 いえいえ! ということでフィアースとアレックスもその事実を知りましたね。 フィア 00 17 まあ一旦俺とアレックスが報告を受けたということで、進めよう ノクス 00 18 まぁ現段階では情報が足りない。避難という問題でもないと思われるので、明日調査ということで良いともうが、どうか? みたいな感じでまとめました>男組 フィア 00 18 「俺らが運んだあのエキスか? 工業区から漏れてたってことは、アレここで作ってたのかね……」体に良くは無いだろうけど、そこまで危険なものだっただろうか ノクス 00 18 「かもしれないし、エキスをさらに別のものに加工しているという可能性もある」 「それが今回の事件にかかわっているかも不明だ。現状ではいずれにせよ情報が足りないな」 ウィル 00 19 「……明日確認しにいくか」 ノクス 00 19 「俺からもそれを提案する」 「任せることになるが」 フィア 00 19 「まあ、夜はどの家も締め切ってるって話だし、すぐにどうこう言うもんでも無いだろうけど…… 風が吹いたら1区が危ない、ってのは気になるな」 GM、天候予測判定で1区に切りが流れこむような風の流れになりそうか予測できないでしょうか GM高梨千里 00 21 それを提案しようと思っておりました。どうぞ。 ノクス 00 21 「ああ、早目の調査が望ましいだろうな。そのものであれば害は少ないだろうが、そうとも限らん」 フィア 00 22 2d+7 はい、ではスカウトで。判定前に筋力腕輪と入れ替えで知力指輪装備しておこう。 ダイス 00 22 フィア - 2d+7 = [4,2]+7 = 13 GM高梨千里 00 22 はい。では、明日一日は風はあまり吹かないだろうということがわかりました ウィル 00 22 ウィルも便乗 GM高梨千里 00 22 はい、どうぞ ウィル 00 22 2d+3+4 ダイス 00 23 ウィル - 2d+3+4 = [6,1]+3+4 = 14 GM高梨千里 00 23 では、ウィリアムも同じですね ウィル 00 23 ふむ フィア 00 23 2d+6 アレックスも振れるな。代理判定。 ダイス 00 23 フィア - 2d+6 = [1,1] (1ゾロ)+6 = 8 フィア 00 23 稼いだw GM高梨千里 00 23 Oh…… ノクス 00 23 そんぐらいでてれば天気予報は信用なるだろう ウィル 00 23 おお ノクス 00 23 なにこれ、ふるながれ?w 2d6+4 ダイス 00 23 ノクス - 2d6+4 = [4,4]+4 = 12 ウィル 00 24 「明日は風は無さそうだが……早めになんとかした方がいいだろう」 フィア 00 24 「だな。明日の内に調査に行くか」 GM高梨千里 00 24 もし翌日に判定をしていただければ、また変化しているかもしれませんとだけ ノクス 00 25 頷き じゃあぐるっと回るのを再開して戻りいますか フィア 00 25 OK ノクス 00 25 あ、コートは回収したよ。 GM高梨千里 00 25 町民会館はどうしますか? フィア 00 25 調べるとしたらどれくらい時間かかりますか? GM高梨千里 00 27 そうですね、まず扉に探索で10分、鍵開けで1分、中を探索するので10分、隠蔽するので10分、元通りに戻すのに10分ですね フィア 00 27 よし、帰ろう。 ウィル 00 27 さいならー フィア 00 28 今日は町民会館は調査せず、グルっと回って店に戻るよ。 GM高梨千里 00 28 はい、では飛んだりしているので、店を出てから20分ほどで帰ったとします。 現在時刻、19 50 ノクス 00 28 というか、内部を勝手に検めたりするのは割と非常手段のようなw 遺跡じゃないんだから (笑) GM高梨千里 00 29 剣の様子を見るのであればそんな感じかなと思ったのですが ぐるっと歩くだけならそんなに時間はかかりません。外見の情報を渡しましょうか ノクス 00 30 ほい フィア 00 30 はい、お願いします。 ウィル 00 30 はーい GM高梨千里 00 30 一見、丈夫そうな建物です。具体的に言うと現代のコンクリートくらいになります。 ノクスは近寄ってみて、かすかに頭痛が強くなるものの、普段よりはかなり弱いと感じます。 ノクス 00 31 「ふむ。やはり、弱いな」 こめかみのあたりを若干押さえつつ ウィル 00 32 「そうか……もういい、離れてろ」 フィア 00 32 「この中に剣があるってのは間違いなさそうか? 5区だけ霧がないって話だからこっそりそっちに移してるってのもあり得るかと思ったが」 GM高梨千里 00 32 これほど近くに寄れば吐き気くらいはするはずです……か? ノクス 00 33 疑問形でいわれた(笑) まぁそういうケースも多いでしょう。 GM高梨千里 00 33 離れたり近寄ったりしてみて、ここに剣があることはほぼ間違いないと考えます。 ウィル 00 33 「こちらに回す分の欠片を5区に回しているんだろう恐らくな」 ノクス 00 34 「ここには、冒険者が少ないという話だったな。十分にあり得る話だろう」 フィア 00 36 「……ムカッ腹が立つ話だな。とにかく、今日のところは一旦戻るか」 珍しく、顔を歪めるがどうにかしようとは言い出さないかな ウィル 00 36 「何事もなく帰れるといいな」 ノクス 00 37 「ああ、そろそろ刻限だ。戻ろう」 GM高梨千里 00 37 ということで、そうですね……やはり現在時刻は19 50とします。 ノクス 00 38 はいさ、もどりますよー ウィル 00 38 夕飯なんだろうなー GM高梨千里 00 39 そこにはとても美味しそうなお肉メインの料理と、そこそこ美味しそうなスープと、ぷすっ、こぽっ、と一人でに泡を立てているナニカが並んでいます テーブルの上をみた3人の反応をどうぞ ルセリナ 00 40 「おかえりなさいませ」 と皆さんを出迎えましょう フィア 00 40 「ただい、ま……!?」 何故だろう、美味しそうなものが並んでいるのに、その隣の劇物がすべてを台無しにしている……! ノクス 00 40 「ああ、戻った」 ウィル 00 41 「……神官、アレはお前作か?」 (ナニカを指差す) マテル 00 41 「おかえりー、怪我ない?」 ルセリナ 00 41 ふと夜色さんとウィルさんを交互に見てみましょう マテル 00 41 「んなわけ無いでしょうが、砂糖隠すわよ」 GM高梨千里 00 41 【ボブ】「おう、お帰り! 今日はうまくできそうだと思ったんだがな、普通だった! 好きな席についてくれ!」 ノクス 00 41 「どうした、ルセリナ」 ルセリナ 00 41 「……………………………………………………。気のせいでしょうか」 首を傾げて ノクス 00 42 「何が」 ウィル 00 42 「隠すな、泣かすぞ」 (真顔) フィア 00 42 「……店長。料理人を雇ったほうが……いや、雇え。早急に」 普通だった、との言葉に戦慄を覚えつつ席につく ルセリナ 00 43 「いえ、なんとなく不穏な気配を察したもので。気にせずにおきましょう」 「今は」 ノクス 00 43 「ふむ?」 ウィル 00 43 (寒気を感じた) GM高梨千里 00 43 劇物食べる人ー? フィア 00 43 店主に責任持って処理していただきたい! マテル 00 43 ウィル……はなんか気の毒になってきた ノクス 00 44 元々料理は口にしない。調理肉よりは乾し肉の方がまだ好み。 ルセリナ 00 44 一応夜色さん用の加熱処理していないものも準備したつもりだったのですが( ウィル 00 44 ……この劇物を投擲武器として持ってく? ルセリナ 00 45 ボブさんの料理を腕を考えると、 フィア 00 45 それ装備するの俺じゃねえか…… ルセリナ 00 45 ちゃんと管理されているのでしょうか ウィル 00 45 ( ・∇・)b ノクス 00 45 おー。それなら食べるよ<生に近くて加工ソースとかかかっていない GM高梨千里 00 45 ちゃんと管理はされていますし、しっかりとした食材でした。ボブの料理の腕が壊滅的というのも生ぬるいだけで。ただ、本人は普通に食べています。 ルセリナ 00 46 ポーションボールにつめましょう(ない世界線です ノクス 00 46 壊滅的というなら料理人-50レベルぐらいにするといいと思いますw そういうNPCだしたよ、私昔に(笑) ルセリナ 00 46 どこかで見ましたね( GM高梨千里 00 46 おお、じゃあ今度はそれでロールを…… ウィル 00 47 被害者は誰になるやら フィア 00 48 自分で処理してくれ…… ノクス 00 49 ともあれ、結構な時間です。食事シーンで終了かな? フィア 00 49 とりあえず今夜は劇物以外で食事をとって、寝るで良いのかな GM高梨千里 00 49 それではパーティのみなさんが美味しい料理、ノクスが生肉、ボブが責任をもって全部を処理したところで、次回に回したいと思います! ありがとうございましたー! フィア 00 49 はい、ありがとうございました。 ノクス 00 50 見回りの報告だけは寝る前にしておくよ。念のためPT用の部屋で ウィル 00 50 はーい マテル 00 50 おつかれさまでしたー ノクス 00 50 おつかれさまでしたー GM高梨千里 00 50 はい、それでは情報を共有できたということで。次回から調査パートです! お疲れ様でしたー! ルセリナ 00 50 おつかれさまでした ウィル 00 51 お疲れさまでしたー フィア 00 51 お疲れ様でした GM高梨千里 00 51 あ、ちなみに次から、トークを使っていきたいのですが……やめたほうがいいですかね? そっメモってどうしたらいいんだろう…… ノクス 00 51 場合によりますね 基本的に直ぐPCによって開示されるような情報なら、トークの意味がないですので不要です あと、トークだと、備忘録担当が記録できず、他PLの記憶にも残りにくいのは難点の一つです ただ、上手く使えば盛り上がりますよ GM高梨千里 00 53 なるほど。では使いどころを見極めつつ、いきます。それでは! ノクス 00 53 要するに、「これは聞いたPCが暫く隠匿するかもしれない」とおもうことはトークでやってみるといいかな GM高梨千里 00 54 なるほど。その点、ノクスはトークで渡すことが多そうな…… フィア 00 54 割と秘密主義というか、抱えることおおいですからね >ノクス ノクス 00 54 キャラ絡みだとあり得ますね(笑) あまり隠しすぎるキャラにはしない予定ですけど ですねー ちゃんと「トーク貰った」事だけ記していって、開示忘れないようにしますよw GM高梨千里 00 55 その辺、キャラのことも考えながらやっていきたいと思います。ありがとうございます! ノクス 00 55 ういす あとたかさんに。 GM高梨千里 00 55 はい! ノクス 00 55 月曜木曜来られてないようですが ルセリナ 00 55 なお基本隠すつもりのない片割れがここに ノクス 00 55 どないします?? GM高梨千里 00 55 そろそろ行こうかと思ってるんですが、ログの読破に時間がかかっておりまして…… ノクス 00 55 途中でもいいすよw 読んでは頂いているんですね、参考になれば幸いです^^ GM高梨千里 00 56 いいですか? では明日から顔出させてもらいます。やるやる詐欺ですみませんでした! ノクス 00 56 うい、読むのは4班がおすすめです。 GM高梨千里 00 56 はい! フィア 00 56 卵の見学? ノクス 00 56 卵のSGMにお誘いしました GM経験の足しに。 フィア 00 56 ほう ウィル 00 57 ほー GM高梨千里 00 58 そうなんです。次回から参加させていただきたいです! ノクス 00 58 はい^^ 楽しみにしていますよー GM高梨千里 00 58 はい! では、そろそろ落ちます。お疲れ様でした! ノクス 00 59 おつでしたー フィア 00 59 おやすみなさい マテル 00 59 おつかれさまでしたー ウィル 01 00 お休みなさいー ルセリナ 01 00 おつかれさまでしたー ノクス 01 00 ふう。今日は良く喋ったなw 五月蠅すぎたら申し訳ない ウィル 01 01 もっと喋って皆と仲良くなればいいよ ノクス 01 01 w どもww フィア 01 01 ノクスが喋り過ぎなら俺はどうなるんだって話かと ノクス 01 01 ではまたタンデムしましょうか^^ フィア 01 02 もっと積極的に絡んでいっていいのよ ルセリナ 01 02 次はフィアさんですか ノクス 01 02 機会があったら勿論ですw <会話 ウィル 01 03 ノクスと大分仲良くなった気がする…… ノクス 01 03 こっちもそう感じてる あとしがみつかれたのはノクスは平然だけど。PLが大いに萌えた有難う ルセリナ 01 03 夜色さんとの親密度が上がると 私の警戒度も同時に上がります 仕様です ええ、PL も 楽しめました^^ ノクス 01 04 ww ルセリナは可愛いなぁ^^ ルセリナ 01 05 前回の叔父騒動で、切れてはいけないところがぶちっといってしまった感がございます( ノクス 01 05 ノクス的には他意はない言葉だったんだけどなーw フィア 01 05 男性陣とはまだ腹を割った会話があまり出来てないんだよなー ウィル 01 06 せやねえ ノクス 01 07 ノクスの中でフィアースの信頼度は割と高いけどね。 個人として話はあまりしていないが、普段の言動からという感じだな ウィル 01 07 ウィルはどうだろうなぁ……信用はしてるかな フィア 01 08 フィアース側からしてもノクスは信頼できるとは思ってるんだけど、能力とか行動からの判断というか……実績ベースで人となりまであまり突っ込んでない感じ ノクス 01 09 同じような感じで距離感を持ってるんだろうなw フィア 01 10 ウィルに対しても同じような感じかな。こちらから推し量ってあいつはあいつで気遣ってるなじゃいかな?と思ってるけど本人と話したことはあんまり多くない ……この依頼終わったら三人で飲み会でもするかw ルセリナ 01 11 男子会()ですか ノクス 01 11 ウィルはちょっとわかってきた感。良いやつなのだろうと感じている。あと、受け答えが割と、愉快。 ルセリナ 01 12 ではこちらは私とマテルさんとアレックスさんで女子会ですね (`・ω・´) ノクス 01 12 アレックスw フィア 01 12 女子……? ウィル 01 12 愉快……? ノクス 01 12 うん、愉快。 ウィル 01 12 そうなのかー (´・ω・`) フィア 01 12 すみーさんはいつから参加できるようになりますかねえ…… ノクス 01 13 愉快、というのはノクスなりの表現だけど。要は楽しさのようなものを感じ出しているということw フィア 01 14 愉悦? ウィル 01 14 えーw ルセリナ 01 14 愉悦部員でしたか それは何よりなのですが以下略 ノクス 01 14 そう言うわれるとちょっとやだな……www 愉悦部 あいつらほど性格悪くないと思うぞw フィア 01 14 うん、今後なるべくセット運用するようにしよう…… ルセリナ ルセリナ 01 15 別にしなくてもよいですよw ノクス 01 15 技能構成上も、別になりがちなんだよなw フィア 01 16 ガチ前衛系の二人ですからねー ノクス 01 16 俺は当たらんけどねw ノクス 01 17 攻撃当てる気で作ってないから(笑) フィア 01 18 キャッツアイ取ったりメイス持ったりはしないんですか? ノクス 01 18 メイスはないな。 ウィル 01 19 イメージがのう ノクス 01 19 キャッツアイは絶対取らないとは言わないが 優先順位は低い ルセリナ 01 19 メイスはないですね ノクス 01 19 更に言うと、多分今後ノクス自身が攻撃する機会が激減する 前に出て突っ立ってるお仕事になるw と予言(笑) ルセリナ 01 21 タンクの方は補助動作がメインになることはよくあることです フィア 01 21 攻撃機会が減る…… 騎乗指示? あれはレベル10からだしなあ ノクス 01 21 魔法指示だよ。 ウィル 01 22 あー ノクス 01 22 タンクと魔法指示はめっちゃ相性がいい。 フィア 01 22 あ、魔法指示って主動作なのか! ノクス 01 22 ですよ フィア 01 24 最速はレッサーマンティコアですかね ノクス 01 24 多分次回だよ。 2話より3話の経験点が激減しなければの話だけどねー フィア 01 26 どうなりますかねえ、戦闘少なそうだから獲得経験値が読めないな ノクス 01 27 うん あと、ノクスの斧についてはねー。GMに相当品確認忘れてるんですけど、1m半ぐらいの1H両のサイズをイメージしてるんですよ えっとw 大きさの意味じゃなく鎌のサイズね(笑) フィア 01 28 あ、鎌なんすか ノクス 01 28 うん フィア 01 29 片手で扱うの大変そうだな…… ノクス 01 29 そうねw でも元は3mの大鎌使いだったので フィア 01 30 屋内で扱えないレベルw ノクス 01 30 うちの家一応屋敷というか軽い城クラスだったしなー(笑) たぶんw ウィル 01 31 そろそろおちますー お休みなさいー ノクス 01 31 全く使う予定のないデータだけど一応作ってあるのよ。魔剣。 おやす^^ ルセリナ 01 31 おやすみなさいですー ノクス 01 31 【魔剣:アニマヴェスコール】 ※魂喰らいという意味。 知名度:- 形状:全長3mに届こうかという巨大な漆黒の大鎌 カテゴリ:アックスA 概要:使用者の生命力と引き換えに威力を増す大鎌 ランク効果 ・補助動作でHPを消費することで、この武器のダメージを同点数上昇させることができます。 消費できるHPは最大で使用者の冒険者Lv点までであり、持続時間は1Rです。1Rに1回しか使用できません。 ・この魔剣を【竜化】によって取り込んだ場合、胴体に【☆魔剣:アニマヴェスコールの魔力】の特殊能力が付与されます。 ほれw ルセリナ 01 31 作ってたねえ……w フィア 01 32 竜化ドレイクでデスサイズとか勘弁していただきたいすね…… ノクス 01 33 あははw フィア 01 33 そういやこのキャンペーン魔剣出るのかな ノクス 01 33 一応竜化時はつつましく牙にしか能力付与されない設定にはしてあるよw フィア 01 34 魔剣(槍)とかありなのかな? ノクス 01 34 ありですよ。普通に 魔剣というのはあくまで総称ですので 形は剣にこだわる必要はないです。 ルセリナ 01 35 あまり魔剣とかには興味がないなあ フィア 01 36 俺魔剣貰ったとしても投げちゃうからなあ ノクス 01 37 魔パイクロープ とかいうの無かったっけかな。名称は若干ウロい うんあってた。 ルセリナ 01 39 あえて上げるならパジャリガー・ぷちがry ノクス 01 39 それ戻ってこないじゃんww フィア 01 40 あれ便利そうですよね ノクス 01 41 どっちのはなし?w フィア 01 41 パジャリガー・ぷちの方 ノクス 01 41 うん、便利ですね フィア 01 41 6巻行こう完全に忘れ去られてますけど 以降 ルセリナ 01 41 もらえるなら使うけど、とくにこっちがこんなの欲しいってのはないなあ>魔剣 ノクス 01 41 (笑) ノクスにとっては魔剣は貰うものじゃあないからなぁ(笑) 代替品はいらない。 武器自体は必要だからそう言う意味では扱いますけどねw ルセリナ 01 43 うっかりお嬢が破片くらいなら持ってるかもしれない( ノクス 01 43 そのイメージなので是非持っててよw フィア 01 43 投げても戻ってくる魔剣だったら欲しいかも ノクス 01 43 つ「魔トライエッジ」ランクSS・ フィア 01 43 パイクロープだと2Hだからなあ ノクス 01 44 パイクロープも当たったら戻ってこないよw ルセリナ 01 44 ぶーめらん……? フィア 01 44 ブーメランも当たったら戻ってこないんですよねー…… ノクス 01 44 当たっても戻ってくるのは現状トライエッジだけちゃうかな フィア 01 44 あとチェイン&ウェイト 戻ってくるというか、当てても絡めず引き戻してる感じですかね ルセリナ 01 45 マグネットグローブなどは ノクス 01 45 手の欄占有が辛いんじゃない?w スカウトっしょw フィア 01 46 ですねえ いま装備してる筋力腕輪もなるべく早く外したい ノクス 01 47 ですよね(笑) ルセリナ 01 47 筋力伸びろ フィア 01 50 筋力はあと1伸びたらもう良いや 投擲武器基本軽いし…… ルセリナ 01 50 キャラクター的な意味でも月光の指輪は外せない(消耗品 ノクス 01 51 終盤敵の防護点が増してくると難点なんですよねえ。投擲、弓系は フィア 01 51 ですねー ノクス 01 52 せめて絡み解禁されれば変わってくるんですけど フィア 01 53 絡みありならありでまた悩みが増えそうだw 練技でなるべく火力を補うのと、両手利きの分魔法支援がよく効くので何とかするしか無いか TOPIC 筋力器用器用器用敏捷精神生命筋力 器用3 筋力2 敏捷1 生命1 精神1 フィア 01 56 うん? ルセリナ 01 56 何があったかとw TOPIC 子犬たちの冒険譚 第三話「ロストメモリー」 ノクス 01 56 w アレックス 01 57 自分のところにコピペしようと思ったら アレックス 01 57 ミスってトピっちゃった ルセリナ 02 01 ルセリナはこのままファイターガン上げで たまにプリが伸びるくらいだなあ 練技は一応猫クマー虫って書いてあるけど どうなるだろ ノクス 02 02 命中もダメージも大事だしそれでいいかとw フィア 02 03 猫は入れといたほうが良いような気がする プリ伸ばしても命中は伸びないし ルセリナ 02 04 うむ ルセリナ 02 04 ちな知力がアレだからではないけど 魔力撃強化という選択肢はそもそもない フィア 02 05 デメリットも強烈ですからねえ ノクス 02 07 あれは知力+4ぐらいあってもリスキーだからね(笑) フィア 02 08 ぼちぼち寝ますね フィア 02 08 おやすみなさい ルセリナ 02 08 おやすみなさいですー ノクス 02 09 おつー
https://w.atwiki.jp/clownofaria/pages/128.html
第三話 始める前に、貴方は人として生きてる事に何を感じますか? 人は誰かと何かを共にする事で何らかの繋がりを持って進んで行く。 それが幸福と呼ばれる処か…破滅と呼ばれる処か…貴方は、何処へ行き着きますか? 幸福ですか? 破滅ですか? それとも―――? 恐らくこの質問に対して、しっかりとした――― それこそ100%と呼ばれる答えを述べる事が出来ないと思います。 貴方が、今この質問に対して答える事が出来たとしても――― それは、恐らくこの先の人生の中で変わって行くものと思われるからです。 ―――変えるも変えないも、貴方次第です。 以上 A-Side 『コイントス』 『人は必ずしも真実を欲する』と、いう言葉が存在する。 彼が貴方にウソをつきそれが嘘だと感じたら、貴方は彼の真実を確かめようとするかも知れない。 貴方のその感情こそが 「真実を欲する」 という物なのかも知れない しかし人には 「嘘を付いてまで守り抜きたい」 と、思う感情が多々あるものだ。 人は、必ずしも皆心の中に相手に知られたくない…もう一つの自分がある物である。 そのもう一つの自分が、貴方自身の人格なのかはたまた知られたくない何かを隠す為の物なのかは 貴方自身にしか分からないであろう。 貴方は、もし人に『自分の真実を語れ』と言われた時―――あなたは真実を語る事は出来るか? 真実の書 第一部前章 「これが盗まれた真実の書の、中身の一部か。」 第122陸士隊のオフィス。 オウル・プリヴェント一等陸士は、ゲリラに盗まれた『真実の書』の内容の一部を閲覧している所である。 オフィスにはオウル一人で、他の局員達はすでに勤務時間を終えて隊舎に戻っている。 時刻は日付が変わろうとしている所だ。 先程の執務官との面会時に、オウルは奇妙な違和感を感じていた。 オウル達が上層部に提出した戦況レポート。 当時の様々な現状や未確認の現時点での実力や詳細が記されていた戦況レポート。 そしてランスター執務官が読んだとされるレポートが、実際に自分たちの書き記し、許可を得て提出したレポートの内容と微妙に違うのだ。 気にしなければ気付かないような部分ばかりだが、違う場所が幾つかあるのだ。 その事に関して疑問を持ったオウルは隊長に訳を話し、もう少し独自でこの事件を追う事にした。 このような事に自ら首を突っ込もうとする隊員も隊員だが、許可をする隊長も隊長である。 オウルがどうして、これ程までに事件に執着するのか―――その理由は彼自身が何故かこの事件から手を放しては行けないような気がしたからである。 まず、この事件が発生する原因となった『真実の書』について調べてみる事にした。 これはあくまでも、オウル個人での関わりとなる為に他の隊員に知られる訳にもいかない。 しかしこそこそとやる訳にもいかない為、『出し忘れた提出物がある為、非番を返上で仕事』という理由を使用。 今はその仕事の『残業』をしていると言う名目でオフィスにいると言う事だ。 そのせいで周りから多少哀れな目で見られたりもした物の、オウル自身はその様な事は気にも留めないといった様子で資料を調べていた。 『真実の書』と呼ばれているこの書物は昔の―――それこそ古代べルカの時代以前に記されたと言われる著書である。 元は管理局にある様々な情報や書物が保存されている『無限書庫』と呼ばれる場所に保管され埋もれていた書物だった。 ある時、情報を調べにきた局員がこの書物を発見。かなり古そうな物なので何かあるかも知れないと思った局員が無限書庫室長の許可を経て、鑑識へと持って行く事となった。 そこでかなり大昔に書かれた物と判明。埋もれていた頃から一転し、日の目を見る事となったらしい。 記した人物の名前や記した理由などが一切書かれておらず、記されていた書物の紙の質が古代べルカ時代よりも一昔前の紙の質と一致した事。 二つ目に書かれている内容が人間の心の内面を中心とした一種の『精神論』である事 その二つの点から書いた人物は当時の学者か何かをやっていた人物ではないかという疑問や様々な憶測が交わされた。 現在は『真実の書』の調査と その質を保つ為の保管がされている最中であった。 その際に保管を任されていた聖王協会側は「どのような物にしろ歴史的に古いものには違いあるまい」という事から、聖王協会やその系列に属する協会などに様々な形で展示し一般公開を行う事とした。 その、最初の展示場所となったのが今回の被害にあった教会だったと言う訳だ。 後々の調査で分かった事によると、協会側はこの展示会の許可を管理局側に取ろうとはぜずに無断でやった事が判明している。 理由は二つ存在し、一つは「局はこのような時に申請を出しても許可をしないと予測した為」 もう一つは 「この歴史的な発見を少しでも早く人々に届けたかった為」との事だった。 局では現在このような協会側の身勝手な行為に対して責任を追及。 その一方で、協会側は協会側で「自分達は人々とこの感動を分かち合おうとしてやった事の為間違った行為ではなかった」とのように反論。 まるで責任の擦り合いにも見えるぎろんはいまでもつづいているらしい。 「それにしても、随分と奇妙な文章の書き方をしてるな…この書物」 オウルは『真実の書』が解読され、記録された書物のデータを読んでいた。 この書物に書かれている事は人間のつく『嘘』と『真実』と呼ばれる、人間が無意識の内につかってしまいそうな二つの言語を中心に進められる物語と言うよりも一種の論文であった。 しかし書き方に少し一般的なものとの違いがあるのであるが、この書物が書かれた時代はこのような書き方が主流だったのかも知れないし、この書物を書いた人物が周りとは違う雰囲気や書き方だったのかも知れない。そこは、鑑識の経験がないオウルには良くは分からないところであった。 今の論文と呼ばれる物は、様々な哲学や理論などが組合い交わり合って書かれているものが多い。 その為、哲学や様々な理論が大体分かる者であれば理解する事ができる文章の作りになっている。 しかし、この『真実の書』の書き方はその様なものとは違うのである。 『自分の意見を人々に伝えるスタイル』と違い、『自分の意見は敢えて語らず最後まで人々に問い続ける』という質問攻めな書き方になっているのだ。 時折、思い出したかのように自分の意見を述べたかと思いきや、すぐにまた人々に対して問い始めるという何とも奇妙な書き方をしているのである。 哲学や理論などは関係なく、頭の良し悪しも関係なく、『伝えたい事』や『話したい事』などを『聞いて理解する』のではなく『感じ取る』といった書き方をしている。 差し詰め『分かる人にしか分からない』といった書き方であろう。 そして、それを読んでいた彼事、オウルはと言うと――― 「う…む、述べたい事などは分からなくもないがこれでは文章事態がバラバラでどこで何が繋がっているのかを一般常識に基づいて生きている人は理解する事は出来ないだろうな…」 彼はそう言うと、バラバラに『砕けた』と言うよりも『散りばめられた』といった方が良い文章を組み替え始めるのだった。 「…しかし分からないな、こんな書物を何の目的であのゲリラ達は盗んだのだろうか?」 『真実の書』の内容を纏めて何を伝えたいのかを自分なりの言葉で纏めながらオウルは、この書物をゲリラ達が盗んだ理由について頭の中で色々な憶測を浮かべる。 まず一つ目は『真実の書』をブラックマーケットなどで高く売るため。 この真実の書は協会が強制的な一般公開をするまでは、しっかりとした調査と事実を裏付ける為に世間には非公開にされていたと言う。 しかし、そのような大きな情報はどんなに厳重に漏れないように注意しても、どこかからか必ず漏れ出す物である。 その様な物なら当然のように裏で出回ると高く売れる…それを狙って盗みを働いたのではないか。 しかし、このようなケースの場合は白昼堂々と突撃し奪う―――などというような行為は自殺行為ともとれる行為である。 この憶測が通るなら、なぜ堂々と一般展示中の昼を狙ったのだろうか。 疑問点が残り、現時点で疑問点を解決できないと認識しこの考えを一時的に保留にする。 二つ目は何かの暗号やメッセージがその書物に記されていたのではないだろうかという憶測。 古い書物や一種の歌などには、内容の中身や内容以外の部分に意外なメッセージや謎の暗号のような物が記されているものだ。 その様な、暗号などは大体がその筆者の遊び心や本当の意味で伝えたかった真実などが込められている物である。 盗んだゲリラ組織自体が、もし―――もし何かの宗派などに流通しておりその内容の中身を解き明かす為に盗んだのだとしたら―――。 しかし、その憶測にも疑問が付くなぜ宗派などに流通していたのならなぜ今更になって事を起こしたのかと言う疑問が出てくる。 そんなに、真実が知りたいのなら死に物狂いで探し出すはずである。まして管理局の『無限書庫』なども隈なく捜索するはずだ。 この憶測には盗んだ日数の関係上や宗派の内容などに対しての疑問が付く為これを一時的に却下し保留する 最後の憶測。単にあの未確認の実力を見せたかっただけなのではないだろうかと言う事。 どのようにして、出来たのかは分からない物の相当な戦闘力をもつあの未確認――― 今の処は未確認で処理されているが、あの未確認の性能をテストする為にわざわざあのような盗みを働き本局と協会の部隊を引き出したのではないだろうか。 しかし、それにも疑問が付くそのようなテストであればこんな馬鹿騒ぎで部隊をわざわざ呼びつけるまでもなく、まずは付近のパトロール中の小隊などを狙った方が確実にデータなども取れテスト機などの生存確率も高くなるであろう。 この憶測を正しいとするならばどうしてあのような大隊を相手にする必要があったのか、なぜあのような不利なタイミングでの投入に踏み切ったのかという疑問が残る為、憶測も保留する この他にも様々な憶測が有るものの、どれも的を射るような物はなく単なる予測で終わって行く。 その理由は単純かつ明快な物である。 それは単に『証拠』と呼べるものがなく、どの憶測も所詮『確信』と呼べる確たる自信が無い為であった。 「やはり、どれほど憶測を立てようと確たる証拠がなければ憶測の範囲から出る事はできそうにないな…」 そう、思いオウルは一旦画面から目を離し背伸びをする。 背伸びの際に時計が目に入った。時刻は日付が変わった午前二時。 「そろそろ、ここら辺で一纏めして寝るかな…」 そう言うと、オウルは纏めたデータなどを保存してモニターを閉じる。 モニターを閉じると、周りは真っ暗になってしまった。 どうやら調べ物に夢中になりすぎて明かりを付けるのを忘れていたらしい。 オウルは物凄い集中力を見せていた自分に少し驚き、同時に普段の黙って黙々と仕事をする自分が夢中で調べ物をしていたと言う事に少々の嫌悪感を覚えつつオフィスを後にする。 隊舎に戻り自分の部屋へと行くためにエレベーターに乗り私室がある三階のボタンを押した。 エレベーターが押したボタンのフロアへと昇って行く途中でオウルは先ほど纏めた『真実の書』の自分なりの考えた内容を少し思い浮かべる。 『真実』というのは、知ってよかったと思う物よりも知って辛いと思うような物の方が多いような気がする。 だからこそ、人はその様な事態に陥る事を防ぐために『嘘』と呼ばれる物を付くのではないだろうか?…だがしかし、とらえ方は人それぞれ…百人中百人が同じ答えなど無い物。 皆それぞれ個別の意見を持っているものだ、だからオウル自身の見解もある意味では『一つの答え』なのかも知れない。 本当はもっと真実は惨いのかも知れない。 もっと、真実は単純なのかも知れない もっと真実は信じられないような物なのかもしれない しかし、その答えは分かる者などいない。 この、論争の発端となった学者ですら答えは導き出せていないのかもしれない だがしかし、今一つだけ自信を持って言える事は、 『真実』と『嘘』は表裏一体だと言う事と どっちが『裏』でどっちが『表』かなんて本当の所は分からないと言う所だ。 その様な事を考えていると。 チンという音と共に扉が開いた。 「さて、考えるのは少し置いといて…少し休むとするか。」 オウルは独り言のように口にしエレベーターを出て自分の私室へと向かった。 To be continue? A-Side END 第四回あとがき 今回も筆者(ぷー太郎様)は怒り狂ったアシスタントにフルボッコされた後、長時間説教されました。 長時間の説教で衰弱した筆者は時空管理局の男性局員によって楽しくフルボッコされてしまいました。 そのため、今回もあとがきは筆者の肉体的かつ、精神的な激痛によって無理との事です。 次回のあとがきにご期待下さい。
https://w.atwiki.jp/clownofaria/pages/129.html
第三話 人はそれぞれ、個人特有の才能を持ち合わせており又感情や性格も人それぞれである。 しかし、そのような人にも共通点がある。 それは―――闘争本能である。 誰かしら、何かに負けたくないという一種の本能が備わっていると言われる。 これらは、一見すると悪い事ではないのだが―――それらは時として人間同士の中での葛藤や歪みなどを起こす事もある。 それらは、ある意味では予め起こる事が予測されていたこと―――必然だったのかも知れない。 だが、それらはこの人間という不完全な生体にとっては必要不可欠な物なのではないだろうか。 このような感情があるからこそ、人間と呼べるのではないだろうか。 しかしこの質問の、この答えも所詮は自分の一答えにしかならない。 なぜなら、この質問に対しての問いも皆それぞれの考えがあるであろうからだ。 B-Side 『実験と日記と…』 PM:10:00 第122陸士隊 給湯室 第122陸士隊内のオフィスを出てから一分足らずで付く給湯室である。 隊員たちの息抜きの際に主に憩いの場となる場所である。 現在そこには、二人の局員がお茶を飲みながら話を交えていた。 「なあ、話って何なんだ?色男」 そう口にしてニヤ付いているのは、身長180cmはあるであろう大男。ベルナ・ロア・ビリー通信士であった。 「お前…一回本気で拳を交えたいのか?」 最初の一言にいつもの事と動揺する事も無く淡々と突っ込むのは、身長にして170後半の目付きが鋭い男。 初対面であれば、外面だけでビビってしまいそうな雰囲気と容姿をしている。 名前はオウル・プリヴェント。階級は一等陸士であった。 「だってさあ、お前面は良いくせにいつもムスッとしていて、朴念仁だからなあ今度俺が女のイロハを教えてやろう」 突っ込みをスル―してさらに続けるビリーに対して、やれやれと肩をすくめるオウル。 口を開くといつも最初に出てくるのは異性との交友関係に関する事だ。 女性の免疫が少ないのはこいつも知っているだろうにと思いつつ、オウルはその言葉を切り捨てた。 「丁重にお断りさせてもらう……第一、俺はそんな事を話に来たんじゃない…真面目に聞け。」 オウルはそう言って話の路線を戻す。 いつもノリが悪いオウルにビリーは苦笑する。 「わ~かったって、それで?話って何なんだ?」 ビリーが聞き返してくる。 「ああ、実はな…執務官さんが聞きに来た事件の内容があっただろ?」 お茶を飲みながらビリーへの説明を進めようとするオウル。 しかしオウルと接触した次元航行部隊の執務官―――ティアナ・ランスターの名が出た途端、ビリーの目の色が変わる。 目をキラキラさせるその姿はまるで、水を得た魚のようであった。 そのままビリーはオウルを茶化すような口調で質問をする。 「あれか? 美人の執務官さんがお前に聞きに来てついでに通信の番号まで教えてもらってお前はウハウハ……」 「おい…いい加減に冗談はよせ…真面目な話なんだぞ?」 そう言いながらも、オウルは少し顔が引きつっている。 女性に関わる機会が少ないオウルにとってはティアナとの出会いは数少ない機会であった。 しかし、あくまで提出した報告書関係で接触しただけだ。 確かに通信の番号はもらったが、あくまで仕事用のものだ。 生命の危機を感じたビリーは苦笑いする。 「分かった、分かったって…あの真実の書強奪事件の事だろ?」 そしてビリーは急に真面目な口調で答えた。 やっとこの色ボケ通信士が真面目に話を聞くようになったとオウルは安心する。 「ああ、実はな? 話してる最中に分かった事なんだが」 オウルはそう言うと持っていた粗茶の入った湯呑をトレイに置き 「実は…何個か提出後に書き換えられた情報があるらしいんだ。」 徐にそう切り出す。 オウルの口からもたらされた情報にビリーの眉がぴくりと動く。 「何?普通ではありえない話だな…お前はちゃんと上の許可を取って提出したんだろ?」 真面目な顔でビリーは更に話を切り出す。普段ケラケラしている分こういう顔をする時はきっぱり真面目モードとなっている。 しかしその真面目モードになるまでの時間が少し長いのが、オウルにとって面倒な点であった。 「ああ、上の許可を取って出した……だから改正される事は無い筈なんだがな……」 普通なら、上層部から許可をもらった提出物に改編などがされる事は殆ど無い。 その理由は簡単な物で、上では内容などで間違えなどがある場合は書いた人物に直させる物である。 だから、裏を返すとOKを貰った資料は上で直すような事はまず無い。 「そこで、気になって色々と調べてみたらな…変えられている部分は全部未確認のデータばかりなんだよ」 そういうと、オウルは二枚の紙を出した。よく見ると両方の紙には赤い線が引かれている。 「この、部分か? ……ほうほう、確かに違う文章になっているな」 オウルの差し出した書類を見比べたビリーはその違いに驚く。 その文章というのは、本当に一部分である。 前回書いて提出した文章では「敵未確認は対魔力コーティング又は特殊な装甲が付けられていると予測される」と書いていた。 しかし、今回の訂正されていた部分は「敵未確認は魔力を弾く何かによってこちらの攻撃を寄せ付けていなかった」と改正されているのだ。 その他にも、「敵は予め突入するメンバーのデータを未確認にインプットしていた」という文章が消されていたりしていた。 「…これだけの改正をするって事は、やっぱり裏で管理局が関わってるのかも知れないなあ」 違いを読み終わったビリーが「う~む」と呻きながら考えている。 「ああ、お前もやっぱりそう思うか……あんな頑張ってる執務官さんに会った後だと考えたくないんだがな」 オウルがそうこぼすと 「何だ、やっぱお前あの執務官さんの事いいなあと思ってるんじゃないか……憎いねえこのこの~」 突然いつもの雰囲気に戻ったビリーが又ふざけてきた。 流石に色恋沙汰の話になると、真面目にしてはいられないらしい。 「なっ……だから、違うと言っているだろう!!」 オウルは顔を真っ赤にして声を張り上げてしまう。 その言葉に大して即座に否定すれば良かったのだが、悪くないと思っているのは事実であった。 しかし目の前にいるベルナ・ロア・ビリーの前でそれを言うには躊躇ってしまう。 頷いたら最後。この男に何を言われ、周囲に何と言い回されるのか分からない。 長年の付き合いだからか、真っ赤な顔で否定するオウルにニヤニヤと笑うビリー。 「ムキになるって事はやっぱり思ってたんじゃないのか? ……ったく、朴念仁かと思いきや成長しやがって、う~うお母さんは息子の成長を見ることが出来て幸せだよ~」 更に、度が過ぎたかのようにふざけだすビリー。 この状態になったら、しばらくは真面目な話が出来なくなる。 それを知っているオウルはビリーの言葉を無視しながら深いため息をついた。 「はあ……少ししゃべる言葉を間違えたな……」 オウルは自分で出す言葉を間違えた事に少し嫌悪感を抱きつつも ――もう少し調べたら、あの執務官さんに少し情報を伝えた方がいいかもな……と 心の中で思い、トレイに置いていた湯呑に手を伸ばした。 湯呑は既に冷たくなっていて、ふと気づいたように時計を見上げると時計の針が十五分を指した所だった。 第五回あとがき ついに筆者(ぷー太郎様)があとがきをボイコット。 次回からはきっとやらないと思います。
https://w.atwiki.jp/yugi/pages/60.html
ストーリー攻略 第三話 金の道、銀の道隠者の庭園 封印区画 金の道、銀の道金の道 銀の道 情報提供 ストーリー攻略 第三話 金の道、銀の道 隠者の庭園 封印石を解放すると、クローゼが仲間になります。 東の書棚でリベール通信を閲覧可能になります。 封印区画 最下層奥から、第三星層に進みます。 金の道、銀の道 石碑で、『第三星層の攻略を始める』を選択すると先に進みます。 念のため、攻略を始める前にセーブデータも保管しておきましょう。 下準備 銀の道を行くキャラクターにはスカルペンダントを装備させましょう。(金の道から攻略する場合は途中で2個とれます。) 全員分の武器と最初の4人の防具をそろえましょう。最初の道をクリアした後に防具をはずすことで次の道でも使えます。 どちらにも回復役を作っておきましょう。 金の道から行くほうをお勧めします。 管理人はパーティ編成を以下のようにしました 金の道 ケビン、ユリア、ミュラー、ティータ 銀の道 リース、ヨシュア、クローゼ、ジョゼット 金の道 扉くぐると、ハンマーパックx4と戦闘になります。 気絶や体型変化を受けることがありますが、一体ずつ確実に倒していけば大丈夫です。 アイテム:ティアラルの薬、タイガーハート、地水火風時空幻のセピスx100x2、アマル・スピリタス、蜘蛛の太刀、パールイヤリング+、1000ミラ、ホワイトブレス+、キュリアの薬、スカルペンダント、魔弓アイオーン、ガイアグリーブ、地水火風のセピスx100、時空幻のセピスx50 ※メンバーによって入手できるアイテムが違います 石碑を抜けた先でボス戦になります。 ?リース? HP13006 ドッペルリース HP12404 グリモア HP1444 ホーンテッドミラー HP6666 使用技: 反射黎明砲 直線6000ダメージ+暗闇 シールサンダー 2500ダメージ+封魔+封技 物理攻撃反射 封技 スパーキングミラー HP6666、 使用技: 反射黎明砲 直線6000ダメージ+暗闇 キャンセル可能 シールサンダー 2500ダメージ+封魔+封技 アーツ反射 ポイント: リースは大して強くないので、問題は4体のミラーです。 それぞれ、物理反射とアーツ反射能力があるので、攻撃の際には気をつける必要があります。 反射黎明砲は、キャンセル可能ですが強力なので、必ず避けてください。 スパーキングミラーだけなら、初っ端からSクラフト連発で倒せると思います。 ホーンテッドミラーはSクラフトも反射するので、一緒に攻撃しないように注意!スパーキングミラーを倒したら、ホーンテッドミラーを一体ずつ倒します。 リースは、2回復活するので3回倒す必要があります。?リース?→ドッペルリース→グリモア 銀の道 扉をくぐると、ヴァルジェム、ビロードデーモンx2と戦闘になります。 アイテム:ティアラルの薬、ガイアグリーブ、HP3、カステル・カクテラ、どろろフィッシュ、セラスの薬x2、スティングエッジ、シルバーピアス、スカルペンダント、地水火風のセピスx50、時空幻のセピスx100、攻撃3、霊剣シルヴァーン、スティンガーM ※メンバーによって入手できるアイテムが違います 石碑を抜けた先でボス戦になります。 デススラッガーの即死を防ぐために「一撃での戦闘不能を無効化」効果のあるアクセサリ(スカルペンダント)を人数分用意しておきましょう。 ?ケビン? 遅延有効、ステータスダウン有効 HP12673 使用技: グラールスフィア 全員にMAXガード(2回防御) セイクリッドブレス 2500回復 サクリファイスアロー CP40回復 ドッペルケビン HP19404 グリモア HP1444 デススラッガーx5 遅延有効、ステータスダウン有効 HP16811 使用技: 冥界4連砲 2000ダメージ 冥界砲 700ダメージ+気絶 チャリオッツダッシャー 直線1800ダメージ+即死 ポイント: デススラッガーは、即死攻撃を仕掛けてくるので、全員にスカルペンダントを装備させます。 ケビンは、敵の体力やCPを回復させてしまうので、真っ先に倒しましょう。 また、ガードが掛かっている敵は、広範囲アーツを当てて、まとめて解除すると良いでしょう。 ケビンは、2回復活するので3回倒す必要があります。?ケビン?→ドッペルケビン→グリモア お勧めは、クローゼのケンプファーです。STR・DEFが大幅に下がるので、攻撃力が低いユニットでもダメージを与えやすくなります。また、敵全員にステータスダウンが有効なので、クロックダウンを掛けておくと、戦いがグンと楽になります。 戦闘後、封印石を入手してクリアとなります。 情報提供 書いてないことがあればコメントください。 PSP版冥界4連砲は×4で8~9000貰うので、戦闘突入したら全員範囲攻撃Sクラフト連発してデススラッガー3体を屠る、クローゼにATS装備してると楽になる。クリティカルに期待しない事 -- (2009-03-29 21 52 54) 4連で一発2000近くダメージまらうんですが; -- 名無しさん (2010-02-06 15 44 20) 名前 コメント
https://w.atwiki.jp/v-sw/pages/315.html
殺戮者の宝庫 ■蟲毒の沼地 ゾンビ×7 ■狂気の湿地帯 メッセンジャー×8 ■亡き骸の園 ヴォジャノーイ×1 ワースラッグ×6 ■麗しの惨劇郷 エトナ×1 プリニー隊×10 ディスガイア2 Topページへ
https://w.atwiki.jp/haruhi_vip2/pages/2549.html
飛行機に乗り込んで、シートに腰を落ち着けた。足も伸ばす余裕あるし、座り心地もいい。 狭苦しいシートを想像してたけど、これなら快適ね。 あたしは窓際の席で、親父は通路側。母さんは親父とあたしの間に座った。 親父はまた文庫本を読み始めている。母さんは機内誌に目を通しはじめた。あたしも本でも読もうかな。 有希ほどじゃないけど、あたしも本は結構読むほうだし。 おなじみの救命設備のアナウンスが流れて、スチュワーデスが実演やったりしているのを横目で見ながら、読書タイムの始まり。 なんか滑走路が混んでるとかで、しばらく離陸見合わせって、なんとかならないのかしらね。滑走路増設すればいいじゃない? そういう問題じゃないのかしら。 いよいよ順番が来たみたいで、飛行機が走り始めた。途中でシートに押し付けられるまで加速して、ふわりと空に浮いた。 窓際から外を眺めると、どんどん飛行場が小さくなっていく。そして航空写真のように町が見える。 あいつはいまどこかな。電車に乗ってるのかな。目的地に着いたのかな。 まさか途方に暮れた顔なんかして、妹ちゃんに冷やかされたりしてないでしょうね。そんなだらしない男じゃ困るんだけれど。 飛行機はどんどん上昇していく。海と空しか見えなくなるまで、あたしは窓の外を眺めていた。 気が付いたのは、どすんという軽い衝撃を感じたからだった。いつの間にか寝てしまってたみたい。 ボケた頭で窓の外を見ると、空はきれいな夕焼け。見たことのない飛行場の明かりがぼんやり点灯しているのが見えた。 「ついたの?」 「そうよ」あたしの独り言に母さんが答えた。「到着よ」 飛行機は地面をゆっくり滑走している。どこに誘導されてるのかしら。 機内はざわめきはじめているけど、まだ飛行機は動いている。あたしは読んでいた本をカバンにしまって、窓の外を眺め続けている。 見たことのない風景が流れている。日本人じゃない人達がいっぱいいて外国に来たんだって実感する。 飛行機がゆっくりと止まった。シートベルトのサインが消える前にみんな立ち上がっている。親父や母さんはなにもせず、ぼんやりしているみたいだけど。 シートベルトのサインが消え、親父や母さんはシートベルトを外した。 親父は大きく背伸びをして、母さんもそれに釣られたように背伸びをしてて、なんかおかしい。 「さて。降りるか」親父はそういいながら、立ち上がった。母さんも立ち上がり、あたしも立ち上がる。 順番を守って飛行機の搭乗口を抜けた。あれ、タラップで飛行場に降りるのね。直接ゲートにつながるんだと思ってたけれど。 タラップを降りると、かすかな風が流れていて、それは潮の香りがする。ちょっと蒸し暑い。独特の空気の香りにちょっとむせそうになった。 彫りの深い南国の人が笑顔を浮かべてお出迎えしている。親父はかるく会釈してその脇を擦り抜けた。母さんも微笑みながら親父の後を追う。 あたしは異国の空気を胸いっぱい吸い込んで、二人の後を追った。 入国審査して荷物を受け取って税関を通れば、国際空港のロビーに出た。 これ、本当に国際空港なの?なんか予想してたよりも小さいけど。なんか日本のちょっと大きい空港ぐらいじゃない? 「ここからどうやって移動するの?」あたしは親父にたずねた。 「レンタカーだ」親父は短く言って、きょろきょろ辺りを眺めている。「カウンターがどこかにあるはずなんだが……」 親父はレンタカー屋のカウンターを見つけると、大股でそこに向かった。いかにも現地の人が笑顔で迎えた。 親父はにこにこしながら英語で受付の人に話をはじめた。あたしでも分かる簡単な英語で、ほとんどカタカナでしゃべってるように聞こえる。 でも受付の人がしゃべってるのは良く分からない。英語なのかしら。イントネーションが違うようであたしには良く分からない。 でも親父は平気な顔で受け答えしながら、差し出された書類に記入をはじめた。 書類を書き終えると、親父は鍵を受け取った。軽く手を振ってバイバイ。 「あの人、英語しゃべってたの?」 「ああ」 「良く分かるわね?」 「レンタカーを借りるときに聞かれることはどの国でも大体同じだろう。それを踏まえて何を言わんとしているか推測すれば分かる」 「でもよくカタカナみたいな発音で通じるわね」 「機械にしゃべってるならともかく相手は人間だからな。理解しようと努める。父さんの経験では発音がダメで通じないことはないな」 「そうなんだ」 「さて、レンタカー置き場はこっちだな」 レンタカーは日本製のセダンだった。トランクを空けて、親父が全員分のスーツケースを押し込んだ。 親父はそのまま運転席に乗り込み、母さんが助手席に座った。あたしは後部座席に座ることになる。 シフトレバーの上に、小さな液晶TVがついてた。 「それ、TV?」 「カーナビ」親父はエンジンをかけながら言った。「道路地図と現在地が分かって道案内してくれなきゃ、一発で迷子になる」 「やっぱり普通より高いの?」 「知らん。カーナビ付きしか見てないし、予約しないからな。父さん頭悪いのを自覚してるんで、補えるものがあるなら、積極的に利用するんだ」 そういいながら親父はカーナビを操作しはじめる。使い方わかってんのかしら。 「知らない。が、住所なりなんなりで目的地を登録できるはずだ。そのやり方をいま探してるんだ」 すぐそのやり方がわかったみたいで、親父は独り言をいいつつ目的地を入力した。 「よし、準備万端。出発しよう」 目的地まで車で10分ぐらいで、ほとんど真っすぐな道だった。これならカーナビいらないんじゃないのかしら。 親父はコテージの管理棟っていうのかしら、フロントでいいのかしら、とにかくそういうところに車を止めた。 「ちょっと待っててくれ」親父はそう言い残すと車から降りた。 10分ほど待っていると、親父は戻って来た。手に鍵をもっていた。 車に乗り込むと、親父は手にしていた鍵を母さんに渡すと、車をまた走らせた。 「えーと、ここらへんにあるはずなんだがな……」 うっそうと茂った木であたりがよく分からない。まだまだ外は明るいのにね。 「あ、あれか」 親父はそのコテージの駐車スペースに車を止めた。 やっと到着ね。道中何もなくて、かえってつまんないわね。 トランクからスーツケースを取り出して、それをコテージに運ぶのは親父の係だった。 あたしと母さんはコテージの中に入った。 結構広いリビングと小さいキッチンもある。ベッドルームは二つで、そしてバストイレが完備されてる。おまけにエアコンまであるし。 リビングにはソファセット、大型TVもおかれている。ソファの前におかれたガラステーブルには、TVリモコンと、電話機の子機がおかれている。 なんか南国って感じのインテリアがいいわね。二日間だけとはいえ、ちょっと夢見るような生活が出来るって感じね。 コテージの中をあちこち探検しているうちに、親父がスーツケースを運び終えたみたいで、あたしを呼ぶ声がする。 「じゃあ晩飯食いに行こう。豪勢なディナーらしいぞ」 晩ごはんはバーベキューだった。 これでもかって肉に野菜に魚と果物を食べて、もうなにも入らない。 でも、幸せ。 ふらふらしながらコテージに戻った。 親父は大きいソファに腰を降ろすと、リモコンでTVをつけた。TVっ子なんだから。母さんはいそいそとバスのほうに消えた。 あたしは電話機の子機を取り上げた。これ、日本に通話できるかしら? 「ほほう、ラブコールですか。隅に置けませんなぁ」親父がニヤニヤ笑いながら言った。 「そうよ、彼氏にラブコールするのよ。悪い?」 「悪くはない。国際電話のかけ方知ってるか?」 「そこに書いてあるわ」 「ならいい。通話料はそんなにかからないはずだが、長電話は勘弁してくれよ」 「ふん。そんなこと分かってるわよ」 あたしは電話の子機をもって、自分の部屋にしたベッドルームに入った。 大きなダブルベットに飛び込んでから、電話をかける。あいつの番号はいっつもみてるから、もう暗記しちゃってる。 もう忘れようったって、忘れられない。 何度か目の呼び出し音のあと、電話がつながった。 「もしもし」怪訝そうなキョンのよそ行き声が聞こえた。 「もしもしー」 「あ、ハルヒか」 「そうよ。だれだと思ったの?」 「通知不可能って表示がでたんで、誰かと思ったぜ」 「国際電話だからかなぁ?」 「そのせいか? そっちはどうだ」 「ん、快適よ。部屋は広いし、ご飯はおいしかったし、言うことないわね」 「そりゃ良かった」キョンが楽しそうに笑った。 「いまは田舎にいるの?」 「いや、妹が急に熱だしちまって、中止になっちまった」 「え、じゃあ家にいるんだ」 「ああ。うんうん唸ってる妹ほっとくわけにもいかんからな」 「そうね。じゃあ4連休はどうするつもり?」 「ま、怠惰に過ごさせてもらうよ。妹元気になれば、どこかに出掛けるかもしれんが」 「そっか」 「ああ。いまはどこにいるんだ?」 「ん?コテージよ」 「そりゃそうだろうが……」 「ああ、自分のベッドルームよ。すんごい大きなダブルベッドでふかふかなの。 キョンでも横にねれるぐらい大きいのよ」 「ほう」 「あんたの部屋のシングルベッドなんて目じゃないわね。あれじゃ一人でも窮屈でしょ。絶対二人で寝れないもん」 「シングルベッドだからな、一人用だ」 「これ、ホント気持ちいい……やばい、寝ちゃいそう」 「風呂入れよ」 「言われなくても入るわよーだ」 「羨ましいな、まったく」 「ふふん、せいぜい羨ましがってなさい……でも、いつか、一緒に来れるといいね」 「……そうだ、な」 キョンの照れた声に、胸がちょっと変ね。なんかベッドの上でごろごろ転がりたくなる。そんな自分も最近では認められるようになって来たけど。 でも、明らかにおかしい。あーやだやだ。こんなんじゃ、SOS団を率いる立場も怪しく思われちゃうわね。 「ハルヒ………」キョンが柔らかい声であたしの名前を呼ぶ。ちょっとうっとりしちゃうんだけど、これどうにかならないものかしら。 他の人にこんなとこ見られたくないわ、絶対。 「なに?」 「……………」 「もしもし?」 「……………いや、なんでもない」 「ばか。言いたいことあるなら言いなさいよ」 「帰って来たら言うよ」照れ笑いがムカつくわね。 「………ひねくれ者」 「おまえに言われるとはな」 「ふん。素直に言いたいこと言えないのはひねくれ者で十分よ」 「ハルヒはどこまでいってもハルヒだな」 「うるさい」 キョンたら黙り込んじゃって、なんか吐息だけ聞こえる。目を閉じてみれば、キョンに抱き締められているような錯覚を感じちゃう。遠くに波の音が聞こえて、なんだか気持ちいい。 「あんまり長電話できないよな」残念そうにキョンが言った。 「そう……ね」 「じゃあ、また暇ならかけてくれ」 「また明日かけてあげるわよ。寂しくて泣いちゃわないよーにね」 「ああ、頼む。じゃな」 「じゃあね。……ばーか」 「なんで甘ったるい声でバカって言うんだ?」 「恥ずかしいからに決まってんでしょうが。じゃあね」 「ああ、おやすみ」 「おやすみ」 電話が切れる音さえも甘く感じるのは、どうしてかしらね。 どうも耳までおかしくなってるみたい。不治の病なのかしら、それともいつかは直るのかしら。まあ直らなくても別に困んないか。 「ハルヒもお風呂入っちゃなさ~い」ドアの向こうから母さんの声が聞こえた。 あたしはベッドから起き上がって、お風呂にはいる準備を始めた。 小鳥のさえずりが聞こえてきた。波が打ち寄せる音が遠くに聞こえてくる。 かすかに目を開くと、まぶしい日の光が目に入って、枕に顔を押し付けた。 どんどん意識がはっきりしてきた。 ここどこ……そか、あたしは海外旅行に来てて、コテージにいるのか。 いま何時なんだろ。起き上がって、時計をみた。7時か。 早い訳でもないし、遅いってわけでもない時間ね。 目をこすりながら、ベッドから起き出して、リビングに出た。 キッチンで母さんがなにか料理を作ってる。いつのまに材料仕入れたのかしら。 「おはよう」母さんにあいさつした。 「おはよう」母さんはいつもと変わらない様子で朝ごはんを作ってる。旅行に来たっていうのに、料理しなくてもいいと思うんだけど。 「そうねえ。でもいい材料みつけたから、やっぱりねえ」 「どこで見つけたの?」 「朝、お父さんと散歩に行ったら貰っちゃったの」 「それって、何時よ」 「6時ちょっと前ぐらいよ。ハルヒはぐっすり寝てたから」 「あ、そう…」 「そうなの。もうちょっとで朝ごはんできるから、待ってなさい」 「そういえば、親父は?」 「外にいると思うわ」 リビングの窓は開け放たれていて、カーテンが風に踊っていた。 そこから外を眺めた。白い砂浜と、その向こうには青い海が見えた。 親父の姿が見えた。もう水着姿で、なんかライフジャケットみたいなものを着込んでいる。 あとで教えて貰ったところによると、一つは本当にライフジャケットで、もう一つはハーネスって呼ばれる装備ね。 サーフボードを脇において、長い棒をつないでいるみたい。なにをしてるのかしら。 リビングの窓から外に出れるようになっていた。あたしはサンダルをつっかけて、外に出る。もう日差しが強くて、風が結構吹いてる。あとでUVケア必須ね。 さすが南国ってところかしら。 「なにしてんのよ?」 「ウィンドの道具借りたんで、組み立ててるんだ」 親父は長い棒をビニールのシートに差し込みながら言う。 「ウィンド?」 「ウィンドサーフィン。セイルを組み立ててるんだ」 「帆ってこと?」 「そうだ。組み立てると翼状になって、飛行機の翼と同じ原理で揚力が生まれる。その揚力を人がボードに伝えて前に進むんだ」 「へえ、そんな趣味あったんだ」 「昔取った杵柄ってところだな」 「おもしろいの?」 「死ぬほど疲れるが、おもしろいぞ」 「ふうん」 「二人ともー朝ごはんできたわよー」母さんの声が風に乗って届いた。 「ご飯だって」 「食ってから組み立てるとするか」 親父は立ち上がり、砂を払って歩きだした。 親父は朝ごはんを食べたら、即外に出ていった。いつもならTVの前にどっかり座ってるのに、どうしたのかしらね。 「久しぶりに遊ぶ気になってるからじゃないかしら」 母さんはキッチンで食器を洗っている。 「ひょっとして自分が遊ぶために、ここに来たとか?」 「だから、当てにするなっていったのよ」 「え、買い物とかどうするのよ」 「昼になれば帰ってくるわよ。そうすれば連れてってもらえるかもね」 「どういうこと?」 「お昼食べたら、また海にいっちゃうかもしれないんだけど、風次第ね」 母さんは半分あきらめているような口調で言った。 午前中、親父はほとんど海に出っぱなしだった。ほんと、なんか恨みでもあるのかというような勢いで、一人でウィンドサーフィンを楽しんでいる。 ま、あたしは相手してもらわないと泣いちゃうような子供じゃないっていうか、そもそも親父に構われたくないから好都合ね。 だからシュノーケルつけて海中散歩を楽しんだ。透明な海に潜って、きれいな魚やサンゴを眺めながら夢中で泳いだ。 ときどき仰向けになって海に浮かんで、空を眺める。波というかうねりに体を負かせる。この空は日本にもつながってるのね。遠い遠いところだけど。 観光地見て回る旅行もいいけど、こうやって一カ所に止まってのんびり過ごすってのも悪くないわね。 浮かぶのをやめて、立ち上がった。波打ち際が遠く見えるところまできちゃったけど、まだまだ足が付くところがうれしい。 日本じゃちょっと考えられないわね、これは。 あっという間にお昼になった。どうやら母さんはずっとコテージで読書してたみたい。それでいいのかしら。 親父はどうしたことかシャワーを浴びて、普段着に着替えている。 コテージ近くのレストランで、お昼を食べた。お店を出ると、さっきまで強く吹いていた風がやんでいる。 「風、止んじゃったわね」 「ああ。天気予報通りだな。午前中一杯風が吹くけれど、午後は無風ってな」 「知ってたんだ」 「海で遊ぶ以上天気予報を頭に入れとくのは常識だ。というわけで、買い物に出るか」 現地の人が行くようなお店をまず巡った。 子供みたいなサンドレスが気に入って何着も買っちゃった。ちょっと丈が短いんだけど、それはなんとでもなるし。 母さんはおおきなツバの付いた帽子を買って、親父は何枚かシャツを買った。 「ブランド品街もあるが、みていくか?」 「興味なーし」とあたし。 「お財布見たいわね」と母さん。 母さんの一言で、ブランド品街を歩いてみた。高級ブランド品のお店が立ち並ぶ一角は、やっぱり日本人の姿が多い。 別にそれがどうのって訳じゃない。あたしは興味ないってだけ。まあ貰えるもんならありがたく貰っとくけどね。自分で買おうとは思わないな。 母さんはすこし迷いつつも有名どころのお財布を買った。 そのまま町を散策する。日本とは全然違う南国の景色が新鮮でたまらない。 町の空気、歩いてる人、売ってるもの。すべてが刺激に満ち溢れてる。 現地の子供たちが元気に路地裏を走り抜けて行く。いかにもお母さんって体格の人が、そのあとをのしのし追いかけて行くのが見えた。 親父はなぜか日本人カップルに写真を頼まれている。機嫌よく撮ってやっているけど、たまには断ってもいいんじゃないかしら。 そのまま夕方まで街で過ごして、夕食も街のレストランだった。 コテージに戻ったのは夜になってから。虫の声は日本とあまり変わらないような気がする。うるさいってほどでもないけど。 お風呂に入って、パジャマかわりにもってきたジャージのハーフパンツと、コットンのタンクトップに着替えた。 母さんも親父もみっともないっていうんだけど、楽なのよねえ。これ。 電話の子機はベッドルームに置きっ放しになってる。さ、あいつに電話掛けてやらないと、泣いちゃうかもしれないしね。 電話の呼び出し数回待つと、ほっとする声が聞こえてくる。 「もしもし。ハルヒか?」 「そーよ。国際電話で誰が掛けてくるってのよ?」 「まあおまえしかいないがな。確認したいのは人情ってやつだ」 「そっちはどお?」 「ごく個人的なことでいえば、妹はいきなり元気になりやがった」 「よかったじゃない」 「まあそれはな。ただ、大混み必定の動物園なり遊園地につれてかなきゃならん」 「あ、なるほど」 「元気100倍なのはかまわんが、今日ぐらいおとなしくしておけというのに、まるで言うことをきかん。困ったもんだ。で、そっちはどーだ?」 「楽しいわよ」 あたしは話を聞かせてやった。今日あったことを朝から晩まで全部話してあげる。そうすれば、あたしと同じ体験をしたことになるかもしれないから。 「楽しそうでなによりだな。本当に羨ましいぞ」 「へへん、あんたもね。大人になったらこういうことできるだけの甲斐性ないとね、愛想尽かしちゃうんだから」 「まあ、できるだけのことはしたいがな」おおげさなため息が聞こえる。 「なによぉ、その溜め息は」 「いくら稼げばそんだけのことが出来るのやらだ」 「さぁねえ。親父の年収に興味ないしねぇ。なんなら聞いてみようか?」 「いや、いい。おまえの親父さんのことだし、なんかはぐかされそうだ」 「ウソはいわないと思うわよ。ただ……」 「ただ、なんだ?」 「身も蓋も無いところあるから、やけに具体的な話始めちゃうかもしれない」 「親子だな、本当に」 「失礼ね。性格全然違うわよ。あたしはあんな我が儘で人をおちょくるのが大好きな性格じゃないもの」 「……そ、そうか」 「なによ。なんか不満?」 「いや。そういう訳じゃない」 「本当かしら……」 しばらくそうやって、また無言になる。この瞬間って結構好きなのよね。なんか吐息だけ聞こえてきて。目を閉じるとキョンと二人でベッドにいるみたい。 いけないいけない、そんな乙女チックな妄想に浸ってる場合じゃなかった。 「日曜日は遊べる?」 「ああ。でも、休んでたほうがいいんじゃないのか?翌日から学校だぜ」 「ふん、あたしの体力をなめちゃいけないわよ。それより……」 「…そうだな」 「じゃ、そろそろ切るね」 「ああ。……ハルヒ」 「なに?」 「………すまん」 「意味わかんないけど、ひょっとして照れてるの?」 「そういうことだ」 「ふうん。………ばぁーーーーか」 「………それは照れてると受け取っていいのか?」 「そうよ。照れてんの」 ふたりでくすくす笑った。いつまでも笑っていたいわ、ふたりでね。 「じゃあ、そろそろね」 「ああ。お休み」 「お休みなさい」 つい、受話器にキスなんかしちゃった。一人で恥ずかしくて、顔が熱いじゃないの。こんなんじゃ、眠れないかもしれない。 それでもあたしは部屋の電気を落として、ベッドにもぐりこんだ。 続く